相談
テストのたびに、「ケアレスミスだった」と言います。問題文の読み間違い、計算ミス、写し間違い。「ちゃんと見直しなさい」「気をつけなさい」と毎回言うのですが、なくなりません。どうしたらいいのでしょうか。
塾長の聞き返し
そのミスは、本当に「ケアレス(うっかり)」でしょうか? 同じようなミスを、何度もしていませんか?
……そう言われると、毎回、似たようなミスです。
塾長の答え
1. 「ケアレスミス」は、練習不足です
ケアレスミスが多い。それは、そうだと思います。そこで、はっきり言います。ケアレスミスが多いのは、「理解しているだけ」の段階だからです。 内容はわかっている。でも、確実にできるところまで、練習しきれていない。 つまり、練習不足です。
ミスのパターンは、読み間違い、計算ミス、写し間違いなど、どれもあります。でも、根っこは同じです。本当にできるところまで、やりきれていないのです。
2. 「気をつけなさい」が効かない理由
「気をつけなさい」と言っても、なくならないのは、なぜか。野球で考えてみてください。
守備でエラーをした選手に、「エラーに気をつけろよ」と言って、エラーしなくなるでしょうか。なるわけがありません。
10回ノックを受けたのか、100回受けたのか、1000回受けたのか。一球一球を、どんな意識で受けたのか。できるだけ試合に近い、試合をイメージして受けたのか。打球も、試合に近い打球で、試合に近い場所で受けたのか。それによって、違ってきます。練習の質と量です。
3. 量だけでも、質だけでもだめです
量だけを増やしてきた人は、多いと思います。でも、勉強の仕方をしっかり決めて、その中で、量をこなす必要があります。そうでないと、無限に時間がかかってしまいます。
ここが、サポートの要です。練習の量は、本人ががんばってやるしかありません。でも、練習の仕方は、周りが設計してあげられるのです。
4. ことばこでは、ミスをしたら、やり直しです
ことばこでは、ミスをしたら、もう一度やり直しです。ミスがなくなるまで、繰り返します。そして、そこで、ミスをしたという自覚が生まれます。
だから、普段から、テストなのです。普段から試合のつもりで練習して、試合は練習のつもりでやる。 練習の段階で、テストをやっておけば、テストの段階でミスをしなければ、本番でも、ミスをしません。
5. ミスをした子に、お母さんは何と言えばいいか
正直に言うと、声かけ自体に、あまり意味はありません。 教えることに価値が小さいのと、同じです。練習のやり方と量を、効果的に支える、全体の設計がないまま、「こうしなさい、ああしなさい」と言っても、意味がありません。
もし、声かけで、何かいいことができるなら、「ドンマイ」と言うしかないと思います。チームメイトがエラーをしたら、「ドンマイ」と言うしかないですよね。それと同じです。
最後に
今日からできることは、三つです。
- 「気をつけなさい」の代わりに、ミスの原因を「練習不足」と考える
- 家庭学習でも、ミスをしたら、やり直して、ミスがなくなるまで繰り返す
- ミスをしたときは、叱らずに、「ドンマイ」
勉強ができること以上に大事なのは、「自分には、課題を乗り越えていける力がある」という自信です。アドラー心理学では、この力を支えることを「勇気づけ」と呼びます。ミスをしたときに「ドンマイ」と言えること。そして、やり直して「できた」を積み重ねること。それが、ミスを恐れない力になります。
塾長コラム ─ 学習塾ことばこ 塾長(国語科教員10年・学習塾個別指導12年)