相談
ことばこは、宿題を出さないと聞きました。家で勉強しなくなってしまいそうで心配です。宿題がないと、子どもは家で全然やらないのではないでしょうか。
塾長の聞き返し
お母さんが大事にしたいのは、「家で勉強すること」ですか? それとも、「勉強ができるようになること」ですか?
……できるようになることです。
塾長の答え
1. 宿題という形にしていないだけです
ことばこは、宿題を出さないというより、宿題という形式にしていません。 一人ひとりに、「自分の課題」があります。そして、その課題を、塾に来てやるか、家でやるかを、本人が選んでいるのです。
本人がやる気になってくれば、自然に、「これは家でもやってくる」と、持ち帰るようになります。
2. たいてい、みんな塾を選びます
ことばこは、週に何回来ても、定額です。ですから、課題は、塾に来てやってもいい。家でやってもいい。その選択のとき、基本的に、みんな塾を選びます。
それは、そうですよね。家で勉強するのは、いやですよね。 私も、家で仕事をするのは、いやなので、基本的に塾で仕事をします。それと同じです。家には誘惑がたくさんあります。家で、自分の意思だけでやりきるのは、大人でも難しいのです。家で、筋トレをする人は、あまりいませんよね。ジムに行くのと同じです。近所の子が多い、というのも、通いやすいからです。
3. 「家で勉強する」ことに価値があるのですか
家で勉強しなくなるのでは、という心配には、こうお聞きします。家で勉強することに価値があるのですか。それとも、勉強ができるようになることに価値があるのですか。
ことばこの場合、家でやる必要は、ありません。 全部塾で終わらせて、勉強ができるようになるなら、それに越したことはありません。
もちろん、塾の時間だけでは届かなくなることもあります。そのときは、家でもやるようになります。それは、本人が、どこまで本気で、何点取りたいかによります。受験が近づけば、みんな本気になってきます。「家でも、やってきていいですか」「家で何をやればいいですか」と、自分から言い出します。塾で決めた計画を、家でもできるなら、もっと早く進められる、というだけの話です。できる子は、言われなくても、勝手にやります。
4. 見ていないところの課題は、責任が持てません
宿題を出すなら、塾で課題を出せばいいのです。見ている前で課題を出せば、その場でやります。
私たちが見えていないところで課題を出すと、どうやってやっているのか、わかりません。ですから、家での時間は、勉強時間としては、数えていません。 学校も、同じです。学校でどれだけ勉強していても、勉強時間としては数えていません。学校で何もしなくても、家で何もしなくても、自分の時間だけで、できるようになる。 それを目指してやっています。
5. 塾の中では、本人の目標までやりきります
塾の中でどこまでやりきるか。それは、本人の目標しだいです。
「80点取りたい」なら、「ここまで、やりきらないと、いけません」と伝えます。「やりきれたら、80点取れますよ」と。そして、「それを、1か月でやるなら、1日にどれくらいやることになるか」を一緒に確認して、納得してもらいます。月を日で割れば、1日の計画になります。その日の計画が、実行できているかを、確認しながら進めます。やりきれば、当然、点数は取れます。
6. 家庭学習は、まったくしなくていいのか
これも、同じ質問です。家でやる、塾でやる。どちらも手段です。大事なのは、やるべきことを、やるべき時までに、やりきることです。家でやりたければ、家でやってくれてもいい。ただ、多くの生徒は、家でやることを選びません。家には誘惑があって、自分の意思だけでやりきるのは、難しいからです。
7. 宿題をめぐって、親子でもめてしまうご家庭には
正直に言うと、この点は、短い文章では、お伝えしきれません。このコラムを、最初から読んでいただくのが、いちばん早いと思います。「やらせる」「やらせない」の前に、お子さんとの関係、課題の分け方、やりきる仕組み。そこから、お話ししています。
最後に
今日からできることは、三つです。
- 「家で勉強しているか」ではなく、「できるようになっているか」を見る
- 家でやらせるより、どこで、いつまでに、何をやりきるかを、本人と決める
- 家でやらなくても、責めない(家はそもそも誘惑が多い場所)
勉強ができること以上に大事なのは、「自分には、課題を乗り越えていける力がある」という自信です。アドラー心理学では、この力を支えることを「勇気づけ」と呼びます。やる場所も、やる量も、自分で選ぶ。その経験が、「自分で決めて、やりきれた」という自信になります。
塾長コラム ─ 学習塾ことばこ 塾長(国語科教員10年・学習塾個別指導12年)