相談
うちの子は、家ではまったく勉強しません。塾の時間だけで、本当に成績は上がるのでしょうか。家でも、やらせたほうがいいのではないでしょうか。
塾長の聞き返し
お母さんは、「家で勉強しない子は、伸びない」と思っていませんか? それは、どこで聞いた話でしょう。
……自分が子どものころ、家で勉強するのが当たり前だったので。
塾長の答え
1. 塾だけで、学年1位の子もいます
はっきり言います。塾でちゃんとやれば、家で勉強しなくても、成績は上がります。
これまでに、中学校で学年1位だった子がいます。進学校で、ずっと学年1位だった子もいます。その子たちは、家で勉強していません。全部、塾だけです。 できる子は、塾で集中してやって、家に持ち帰りたくないので、全部塾で終わらせてきます。
2. できる子ほど、来る回数は多くありません
では、そういう子は、毎日、塾に来るのか。中学生なら、そんなに多くありません。 中学生でできる子は、毎日やる必要がないのです。やり方が正しければ、短い時間でできるからです。
高校生になれば、話は違います。たとえば、医学部を受けるなら、できる子でも毎日来ます。必要な量が、違うからです。
3. 塾だけでも、家でもやっても、伸び方は同じです
塾でしかやらない子と、家でもやる子。成績の伸び方に、違いはありません。どちらでも、いいのです。やるべきことをやっていれば。
在宅で仕事ができる人は、在宅でやればいい。会社に行かないとできない人は、会社に行ってやればいい。それと同じです。
ただ、塾のほうが、やれる子が多いのは確かです。理由は、やり方が間違ったときに、先生の声かけで、すぐに直せるからです。自分一人だと、どうしても、適当になったり、サボる方向に流れやすいのです。
4. 「家で勉強しない」ことを、気にしすぎると
お母さんが、「家で勉強しない」ことを、気にしすぎるとどうなるか。話が、ずれてしまいます。 大事なのは、できるようになることです。家でやるかどうかは、手段の話です。
その話を、お子さんに何度も言い続けると、関係が悪くなるだけです。第15問でお話ししたとおり、関係がよくないときは、何を言っても逆効果になりやすいのです。
5. 家でも塾のようにやるには
「家でも、塾と同じようにやれたらいいな」という場合は、塾と同じ環境を、つくることです。 やるべきことと、やり方が、しっかり決まっている。そして、本人が、そこに価値を感じている。 そうであれば、家でもやります。
つまり、本人が価値を感じられるかどうかです。塾では、価値を感じられるように、設計しています。長年、子どもたちの勉強に関わる中で、考えてきたものです。
勉強ができた方でも、教えること、勉強のやり方を設計することは、やったことがないはずです。それを、いきなり同じようにやるのは、とても難しいと思います。自分の昔を振り返っても、そこは難しいところです。ですから、経験のある人に任せるのは、手段として、かなりいいと思います。(これは、お母さんの力不足という話ではありません。誰でも、初めてのことは、難しいのです。)
(補足:一般の個別指導塾では、大学生の講師が教えていることも多くあります。経験の面では、教えるのが初めてのお母さんと、大きくは変わりません。違うのは、家の外にある、というだけです。ですから、塾を選ぶときは、「どんな経験をした人が、どんな仕組みで教えているか」を見てください。)
6. 「自分の時間だけでできるようになる」を目指す理由
学校で何もしなくても、家で何もしなくても、塾の時間だけで、できるようになる。 そこを目指しているのは、正しいやり方で、正しい量をやれば、できるようになるからです。
ことばこは、毎日来ても定額です。必要な量を、塾で全部やればいい。家でやってくるなら、どうぞ、やってきてください。ただ、みんな、家でやるとは言いません。 ことばこの場合は、そうです。
最後に
今日からできることは、三つです。
- 「家で勉強したの?」ではなく、「今日、何ができるようになった?」と聞く
- 家でやらないことを、責めない。 塾や学校でやりきれる形を探す
- 家でもやらせたいときは、やり方とやることを決めて、本人が価値を感じられるかを考える
勉強ができること以上に大事なのは、「自分には、課題を乗り越えていける力がある」という自信です。アドラー心理学では、この力を支えることを「勇気づけ」と呼びます。家でやらないことを責めないで、「今日できたこと」に目を向ける。それが、お子さんを勇気づける、いちばん身近な方法です。
塾長コラム ─ 学習塾ことばこ 塾長(国語科教員10年・学習塾個別指導12年)