数学の質問を持ってきて
なんど同じことを教えても理解できないA君。
理由は、
質問している問題以前に、
その前提となっている考え方が
理解できていないため。
1→2→3
とステップを踏まないといけないのに
1→2を飛ばして、
3を質問してきてしまう。
この状態で、
こちらがいくら3を説明しても、
A君を納得させてあげることができない。
だからといって、
1→2→3だよ、
と説明しても話が長過ぎて
途中でつながらなくなってしまう。
数学苦手な子あるあるです。
ではどうすればよいのか。
答えは簡単で、まずは1をしっかり理解する。
そこでわからないことを聞く。
一度に1だけなら、
そんなに長い話にならないので
難なく消化できる。
ただし、
その時理解できても、
忘れてしまうと次には進めないから
完全に理解し忘れないようになるまで
なんども1の練習を繰り返す。
そして、もう1は十分。
完全に習得したとなったら2に進む。
できる子とできない子の違いは
この習得スピードが
速いか遅いかの違い。
早いか遅いかの違いはありますが
数学な苦手な子でも、
しっかりその子が1を習得するまで待ってあげれば
かならず2に進める時がやってきます。
そして、その子なりのスピードが進むことが
絶対にその子最速のペースになります。
※人に引っ張られて
足が早くならないのと同じです。
なのに、学校では、
A君が1を習得をする前に
もう3まで進んでしまっています。
焦ったA君は、
塾で3の質問をします。
しかし、いくら教えても
3を今この場でわからせてあげることはできない。
ヒットも打てないのに
ホームラン打たせてと
言われても
そんな魔法は存在しない。
A君のように
学校のペースに追い付けない場合
学校の授業は、役に立つどころか、
どうしても勉強の邪魔になってしまいます。
勝手に3の宿題が課され、
テストが課されA君に
そのペースでできないといけない
という圧をかけてしまうからです。
こういう圧がかかっている時、
いつもA君は焦ってパニックになり
ゆっくり考えればわかることも考えなくなり
どんどん悪循環に陥っていきます。
こういう状態で教えてあげても
いや教えれば教えるほど
1→2が習得できていないので、
結果、「僕は教えてもらってもわからないんだ」
と思い込んでしまいます。
しかし、本当はそうではありません。
順を追って教えてもらえば
ちゃんとわかるようになる力があるのに、
焦らされてパニックになっているだけです。
昔勉強苦手だった人でも、
大人になって落ち着いて考えてみれば
なんだこんな簡単なことだったのかと
思うことも多々あると思います。
それは、こういうわけがあるからです。
学校の事情は変えられませんが、
個別指導では
ただ教えるのではなくて、
こういうところをきちんと理解して
サポートしてあげる必要があります。
やみくもに学校のペースに合わせると
かえって遠回りになることもあります。
逆に、学校のペースが遅すぎて
やってられない子もいます。
どちらにせよ、
その子なりのペースが最速である
ということには変わりありません。
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