中学1年 国語科 教材別テスト⑦ 模範解答・解説
「「言葉」をもつ鳥、シジュウカラ」(鈴木俊貴)/光村図書『国語1』
【このテストの使い方】 本文は載せていません。教科書『国語1』の「「言葉」をもつ鳥、シジュウカラ」のページを開いたまま解答します。筆者は動物行動学者で、この文章は観察から生まれた問いを実験によって確かめていく説明文です。したがって、物語文のような「気持ちの読み取り」ではなく、論の進め方(問い→仮説→実験→結果→結論)を追えているかどうかが得点の分かれ目になります。段落番号は、形式段落を上から順に①②③…と数えたものです。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問。読み10・書き10)1点×20=20点
二語句の知識(同音異義語・部首名・慣用句・対義語・熟語の組み立て・四字熟語)2点×7=14点
三文法(指示語の指す内容・接続語の補充・接続語のはたらき)2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「「言葉」をもつ鳥、シジュウカラ」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 筆者が立てた問い(鳴き声は「言葉」といえるのか)をつかみ、文章全体の見通しをもてるか。
② 「ジャージャー」と「ピーツピ」など、鳴き声の使い分けを区別して理解できているか。
③ 実験の手順と、その実験で確かめようとしたことを結びつけて説明できるか(論証構造の理解)。
④ 鳴き声が「言葉」といえる理由を、単語(意味をもつ)と文法(組み合わせの決まり)の二点で説明できるか。
⑤ 観察で終わらせず実験で確かめるという、科学的なものの見方・筆者の研究姿勢に気づけるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①すばこ⑪種類
②てんてき⑫関心
③けいかい⑬羽
④するど(い)⑭推測
⑤おどろ(く)⑮群れ
⑥かせつ⑯行動
⑦しょうめい⑰卵
⑧こんちゅう⑱林
⑨ひそ(む)⑲従う
⑩ほんやく⑳明らかに
小計 20点
【注意したい字】 ①「巣箱」は「すばこ」。「そうばこ」は×。③「警戒」の「戒」を「械」「戎」と書きまちがえやすい。④「鋭い」⑤「驚く」⑨「潜む」は送りがなまで書くこと(「するど」「おどろ」だけでは×)。⑩「翻訳」の「訳」はごんべん。⑭「推測」の「推」はてへん(「堆」は×)。⑮「群れ」は送りがな「れ」が必要。⑰「卵」は中の点を二つ忘れない(「卯」は×)。⑲「従う」⑳「明らかに」も送りがなが採点対象(「従がう」は×)。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)ア「過程」=物事が進んでいく途中のようす・すじみち。実験の手順をたどる意味なので「過程」。イ「課程」は学校で学ぶ内容、ウ「家庭」は家、エ「仮定」はかりに決めること。同音異義語は意味で選び分ける。
(2)うまへん「験」の部首は「馬(うま)」。左側にあるのでうまへん。「険」(こざとへん)などと混同しない。
(3)うかんむり「察」の部首は「宀」。「安・室・宇」などと同じうかんむり。「祭」の部分ではない。
(4)イ「耳をすます」=注意を集中して、じっと聞こうとすること。野外観察のようすを表すときによく使う慣用句。ウ「聞き流す」は反対の意味。
(5)結果原因 ⇔ 結果。この文章では「実験の結果」という形でくり返し出てくる重要語。
(6)イ「観察」=「観る」と「察する」で似た意味の漢字の組み合わせ。同じ型は「道路」。ア「高低」は反対の意味、ウ「読書」は「書を読む」で下が目的、エ「青空」は上が下を修飾。
(7)イ「試行錯誤」=あれこれ試し、失敗をくり返しながら解決の方法を見つけていくこと。研究の進め方を表す四字熟語。ア「同じ失敗をくり返す」は誤り。
小計 14点
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三 指示語と接続語 (2点×8=16点)
番号解答解説(考え方)
(1)イ指示語は直前をさがす。「それは…声だった」とつながるので、指す内容も「声」でなければならない。ウ「巣箱」を選ぶと「巣箱は声だった」となり文が成り立たない。
(2)ア「そうすると」は前の動作を指す。前の文の動作は「巣箱のそばにえさを置く」こと。イは「そうすると」の後に起こった結果なので×。
(3)エ「この方法」なので、指すのは方法(やり方)。前の文の「スマートフォンの地図で道を調べた」が方法。イ「迷わないこと」は方法ではなく結果なので×。
(4)ア(だから)前(雨が降り出した)が理由、後(遠足は中止になった)が結果。順接なので「だから」。
(5)イ(しかし)「何度も練習した」のに「うまく弾けなかった」と、予想とは逆の内容が続く。逆接の「しかし」。
(6)エ(たとえば)前の文(さまざまな花が咲いている)の具体例(桜やチューリップ)が後に示されている。例示の「たとえば」。「また」「なぜなら」は使わない。
(7)エ「つまり」は前の内容を言いかえ・まとめて示す語。はたらきは説明・補足。「だから」と混同しないこと。
(8)イ「ところが」は、前から予想されることと反対の内容を導く。はたらきは逆接(「しかし・だが・けれども」と同じ仲間)。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【指示語・接続語を解くコツ】 ① 指示語は直前をさがし、見つけた言葉をあてはめて読み直す(文が通れば正解)。② 「この方法」「その理由」のように指示語に付いた名詞が、答えの種類(方法か、理由か、内容か)を教えてくれる。③ 接続語は、前後の関係を「同じ向き(順接)/逆向き(逆接)/言いかえ/例示/付け加え」のどれかに分類してから選ぶ。説明文では、接続語に印をつけながら読むと論の流れが見える。
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四 「「言葉」をもつ鳥、シジュウカラ」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
イ文章の初め(序論)で、筆者は「言葉をもつのは人間だけなのか」という疑問を示し、シジュウカラの鳴き声が「言葉」といえるのかを明らかにしようとしている。ア・ウ・エは本文全体の問いではない。
(2)
3点
イ「ジャージャー」はヘビという特定の相手に対して使われる鳴き声。これが「単語」の発見につながる。
(3)
3点
ア「ピーツピ」は「警戒しろ(敵に気をつけろ)」にあたる鳴き声。「集まれ」にあたるのは「ヂヂヂヂ」。この二つの区別が(7)の語順の問題につながる。
(4)
4点
イ小枝をヘビのように動かして見せ、鳴き声を聞かせたとき/聞かせなかったとき(別の鳴き声のとき)で反応を比べる、という手順。条件を一つだけ変えて比べるのが実験の基本。アのように本物の天敵(ヘビ)を使ったのではない。
(5)
5点
(例)「ジャージャー」がヘビを表す単語かどうかということ。(26字)「ジャージャーがヘビを意味している(ヘビを思いうかべさせる)」という内容が書けていれば5点。
別解…(例)シジュウカラが「ジャージャー」を聞いてヘビを思いうかべること。(31字)
「鳴き声を調べること」のように何を確かめたいのかが書かれていないものは2点。実験の手順をなぞっただけ(例「小枝を動かすこと」)は0点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(6)
4点
ア「ジャージャー」を聞かせたときだけヘビに見立てた小枝を確かめようとした、という結果から、聞いた鳴き声の種類によって行動を変えている=鳴き声が表すもの(ヘビ)を思いうかべているとわかる。=鳴き声が単語として意味をもつ証拠。イは結果と反対。
(7)
4点
ウ順番を変えると伝わらない=並べ方(語順)に決まりがあるということ。これが文法のはたらき。エは結果と反対なので×。
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四 「「言葉」をもつ鳥、シジュウカラ」の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
7点
(例)鳴き声が単語として意味をもち、その組み合わせ方にも文法の決まりがあるから。(37字)「一つ一つの鳴き声が単語として意味をもつ」(4点)+「組み合わせ方(語順)に文法の決まりがある」(3点)の二点で採点。
どちらか一方だけしか書けていないものは部分点のみ。「単語」「文法」の語が使われていない場合は各−1点。「たくさん鳴き声があるから」は0点。三十五〜四十五字から外れたら−1点。
(9)
5点
(例)観察で生まれた推測を、確かな事実として証明できるということ。(30字)「推測・予想・仮説」(2点)+「確かめる・証明する・事実として示す」(3点)の二点で採点。
「くわしく見られるから」など観察の利点を書いたものは0点。見ているだけでは思いこみかもしれない→条件を変えて比べることで確かめられる、という科学的なものの見方が書けているかを見る。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(10)
3点
イこの文章は序論(問い)→本論(観察・仮説・実験・結果)→結論(鳴き声は言葉である)という組み立て。初めに結論を置く「頭括型」ではないのでアは×。
(11)
4点
(例)思いこみを捨て、疑問を実験で確かめようとする姿勢。(25字)「疑問をそのままにせず、実験・調査で確かめる」という内容が書けていれば4点。
別解…(例)動物をよく見て問いを立て、根気よく確かめ続ける姿勢。(26字)
「鳥が好きだという姿勢」など好意・感想だけのものは0点。二十字以上三十字以内から外れたら−1点。
(12)
4点
ア・イ・エウ…鳴き声は相手や場面ごとに意味が異なるので×。オ…組み合わせると意味が変わり、順番にも決まりがあったので×。ア・イ・エの三つがそろって4点(完答)。一つでも足りない、余分がある場合は0点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
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【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この文章は説明文(科学的な報告)。筆者の気持ちではなく、論の進み方を追って読む。
  2. 最初にあるのは問い。「言葉をもつのは人間だけなのか」という問いが、文章全体の柱になっている。
  3. 鳴き声は使い分けられている。「ジャージャー」=ヘビ、「ピーツピ」=警戒しろ、「ヂヂヂヂ」=集まれ。混同しやすいので表にして覚える。
  4. 実験の手順を問われたら、「何を変えて、何と何を比べたか」を答える。小枝を動かして見せ、聞かせる鳴き声だけを変えて反応を比べた、という形。
  5. 実験には必ず目的(確かめたいこと)がある。手順の説明で終わらせず、「〜かどうかを確かめるため」まで書く。
  6. 「言葉」といえる理由は二つセット。単語(一つ一つに意味がある)+文法(組み合わせる順番に決まりがある)。片方だけでは満点にならない。
  7. 観察だけでは推測、実験をして初めて証明。ここが筆者の研究姿勢であり、この教材の最大のねらい。
  8. 「人間だけが言葉をもつ」という思いこみを疑うのが筆者の立場。内容合致問題では、「鳴き声は一つの意味しかもたない」「順番を変えても同じ」といった本文と逆向きの選択肢が必ずまぎれている。
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