中学1年 国語科 教材別テスト⑩ 模範解答・解説
古典の世界(いろは歌・歴史的仮名遣い・古典常識)/光村図書『国語1』
【このテストの使い方】 教科書の現代語訳・脚注・解説は載せていません。教科書『国語1』の「古典の世界」のページを開いたまま解答します。古文の原文(いろは歌・竹取物語・枕草子など)は著作権が切れているため、必要な部分だけを引用しています。
このテストは、教材⑧「竹取物語」・教材⑨「漢文(矛盾)」で学んだ古典の基礎を、学年末に総まとめする位置づけです。「いろは歌」「歴史的仮名遣い」「古典作品の基礎知識」を、まとめて確認できるように作っています。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(古典・和歌・季節に関わる語/20問)1点×20=20点
二歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す(10問)2点×10=20点
三古語の意味・古文の基礎(助動詞「けり」)2点×5=10点
思考・判断・表現
50点
四「いろは歌」と古典常識の読解(記述4問をふくむ12問)50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す手順を身につけているか(特に語頭の「は」は直さないこと)。
② 「いと」「あやし」「うつくし」「つとめて」など、現代語と意味がずれる古語を正しくとらえられるか。
③ 「いろは歌」が四十七字のかなを一度ずつ使った歌であり、文字の学習や順番を示すのに使われてきたことを理解しているか。
④ 「色は匂へど散りぬるを」から、花が散る自然のありさまと人の世の無常という考え方を結びつけて説明できるか。
⑤ 竹取物語・枕草子・平家物語・徒然草・おくの細道のジャンル・時代・作者を整理できているか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①ぼうとう⑪梅
②むじょう⑫風
③きゅうれき⑬川
④よむ⑭作者
⑤ろうどく⑮手紙
⑥なごり⑯桜
⑦しげる⑰照る
⑧おしむ⑱伝わる
⑨ずいひつ⑲短い
⑩おもむき⑳雪
小計 20点
【注意したい字】 ②「無常」は「無情(なさけがない)」と書き分ける。古典では「変わらないものはない」という意味の無常。③「旧暦」は「きゅうれき」。「きゅうごよみ」と読まない。④「詠む」は歌や詩をつくること。「読む」と書くと別の意味になる。⑥「名残」は「なごり」。「なのこり」としない熟字訓。⑩「趣」は「おもむき」。送りがなは不要。④⑦⑧は読みも送りがなまで書く(「よ」「しげ」「お」だけでは×)。⑰「照る」、⑱「伝わる」、⑲「短い」も送りがなを落とさないこと。⑯「桜」は木へんの右側を「ツ+女」の形で書く。⑪「梅」とまちがえないこと。⑫「風」の中は「虫」の形。⑮「手紙」の「紙」はいとへん。
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二 歴史的仮名遣い (2点×10=20点)
番号解答解説
(1)いう語中・語尾の「ふ」は「う」に直す。発音は「ユー」だが、書くときは「ゆう」ではなく「いう」。ここをまちがえる人がとても多い。
(2)おかし語頭の「を」は「お」に直す(助詞の「を」は直さない)。意味は「おもしろい・趣がある」で、現代の「おかしい(変だ)」とはちがう。
(3)ちょう「てふ」は teu → tyô と変化するので「ちょう」。「蝶(ちょう)」のこと。「てう」「ちよう」は×。
(4)あわれ「は」が語中にあるので「わ」に直す。「しみじみとした趣」「気の毒だ」の意味。
(5)いる「ゐ」は「い」に直す。「ゑ」は「え」。この二字は現代では使わない。
(6)はじ「ぢ」は「じ」に直す。ただし語頭の「は」はそのまま。「わじ」としたら×。ここが最大の落としどころ。
(7)みず「づ」は「ず」に直す。「水」のこと。
(8)なお語中・語尾の「ほ」は「お」に直す。「なほ」=「やはり・さらに」。
(9)かじ「くわ」は「か」、「ぐわ」は「が」に直す。「くわじ」=「火事」。「かじ」とすべて直して書く。
(10)こえ「ゑ」は「え」に直す。「声」のこと。
小計 20点
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三 古語の意味・古文の基礎 (2点×5=10点)
番号古語解答解説
(1)いとイ「いと」=非常に・とても。程度を強める副詞で、古文に最も多く出る語。さらに強めると「いとど」。
(2)あやしア「あやしがる」=不思議に思う。竹取物語の冒頭、光る竹を見つけた場面。現代語の「あやしい(うたがわしい)」とはずれる。
(3)うつくしイここでの「うつくし」=かわいらしい・いとおしい。小さなかぐや姫の様子を表す。現代語の「美しい」だけで覚えると読みちがえる。
(4)つとめてア「つとめて」=早朝・翌朝。「努めて(努力して)」と形が同じなので混同しやすい。
(5)けりイ「けり」は過去を表す助動詞。「ありけり」=「あった」。「今は昔」という語り出しとあわせて、昔のことを語る形になっている。
小計 10点 / 知識・技能 合計 50点
【歴史的仮名遣いを直す手順】 ① ゐ→い/ゑ→え/を→お(助詞の「を」は直さない)。② 語中・語尾のは行(は・ひ・ふ・へ・ほ)→わ・い・う・え・お。語頭は直さない。③ ぢ→じ/づ→ず。④ くわ→か/ぐわ→が。⑤ 残った「〜au・iu・eu」を長音に直す(てふ→ちょう、けふ→きょう、やうやう→ようよう)。この①〜⑤の順に当てはめれば、ほぼ機械的に直せる。
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四 「いろは歌」と古典常識の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
5点
(例)四十七字のかなを、一度ずつ重ならないように全て使ってよまれた歌。(32字)「四十七字(すべて)のかな」(2点)+「一度ずつ・重ならないように使っている」(3点)で採点。「かな」の語が使われていなければ−1点。
「昔の歌」「仏教の教えの歌」だけでは0点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(2)
2点×3
① におえと
② うい
③ えい
①「ほ」「へ」はどちらも語中なので「お」「え」に直し、「にほへと」→「におえと」。漢字をあてた「匂へど」の形なら「におえど」となる。
②「ゐ」→「い」。「有為(うゐ)」=移り変わるこの世。
③「ゑ」→「え」、語中の「ひ」→「い」。「酔ひ(ゑひ)」=よい。
(3)
3点
イいろは歌は、かなを一度ずつ使うため、手習い(文字の練習)の手本になり、また「いろは順」として物事の順番を示すのにも使われた(「いろはの『い』から」という言い方が残る)。
(4)
6点
(例)美しい花もやがて散るという自然のありさまで、変わらないものはないという無常の考え。(41字)「美しくさいた花も、やがて散ってしまう」(3点)+「変わらないものはない/いつまでも同じではない=無常」(3点)で採点。
「無常」の語がなければ−1点。「花がきれいだ」だけ、「さびしい感じ」だけは0点。自然の様子と人の世の考え方を結びつけていることが条件。三十五〜四十五字から外れたら−1点。
(5)
1点×5
① ウ
② オ
③ エ
④ イ
⑤ ア
①竹取物語…平安時代初期、作者未詳の物語。②枕草子…平安時代、清少納言の随筆。③平家物語…鎌倉時代、軍記物語(語り伝えられた)。④徒然草…鎌倉時代末、兼好法師の随筆。⑤おくの細道…江戸時代、松尾芭蕉の紀行文。
「随筆が二つ(枕草子・徒然草)ある」ことを押さえ、作者名で区別するとまちがえない。
(6)
2点
かぐや姫竹取物語は、竹の中から見つかった女の子「かぐや姫」の物語。「竹取の翁」「なよ竹のかぐや姫」でも可とする。「竹取物語」と作品名を書いたものは×。
(7)
1点×3
① 一(月)
② 三(月)
③ 十二(月)
睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走の順。弥生=三月、師走=十二月は特に出やすい。「師走を一月」とするまちがいが多い。
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四 「いろは歌」と古典常識の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
2点
ア旧暦では一〜三月=春、四〜六月=夏、七〜九月=秋、十〜十二月=冬。だから「七月」が秋の季語になるなど、今の感覚とずれる。
(9)
2点×2
① イ
② 十七
①和歌(短歌)は五+七+五+七+七=三十一音。だから「みそひともじ(三十一文字)」と呼ばれる。②俳句は五+七+五=十七音。「十七文字」でも可とする。
(10)
4点
(例)和歌は五七五七七の三十一音、俳句は五七五の十七音でよまれる。(30字)「和歌=五七五七七/三十一音」(2点)+「俳句=五七五/十七音」(2点)で採点。どちらか一方だけなら2点。音数にふれていなければ各−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(11)
6点
※固定の正解は示さない。下の採点基準で採点する。【満点(6点)の条件】①古典を学ぶ意味について自分の考えがはっきり述べられている。②その理由や根拠が、このテストで学んだ具体的な内容(いろは歌、歴史的仮名遣い、無常の考え方、旧暦、和歌・俳句の形式、作品の時代や作者など)にふれて書かれている。③六十〜八十字におさまり、文として整っている。
【部分点】・考えは書けているが、具体例や理由が弱い…4点。・感想のみ(「おもしろかった」「むずかしかった」)で考えになっていない…2点。・無記入、または古典と関係のない内容…0点。
・字数が六十字未満または八十字超…上の点から−1点。
【想定される方向】昔の人の感じ方や考え方を知ることができる/今の言葉のもとをたどれる/長く読み継がれてきた理由を考えられる/季節や自然へのとらえ方が今と違うことに気づける。どの方向でも、根拠が書けていれば加点する。
(12)
4点
ア・イ・ウア…平家物語は琵琶法師が語り伝えた(○)。イ…徒然草は「つれづれなるままに」で始まる(○)。ウ…俳句には季語を入れるのが決まり(○)。
エ…「竹取物語」は日本で生まれた平安時代初期の物語で作者未詳。中国の物語の翻訳ではないので×。オ…旧暦では十〜十二月が冬(秋は七〜九月)なので×。
ア・イ・ウの三つがそろって4点(完答)。一つでも足りない、または余分に選んだものは0点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
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【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. 歴史的仮名遣いは直す順番を決めておく。①ゐ・ゑ・を ②語中・語尾のは行 ③ぢ・づ ④くわ・ぐわ ⑤長音(てふ→ちょう)。順にあてはめれば迷わない。
  2. 「は→わ」に直すのは語中・語尾のときだけ。「はぢ→はじ」「はな→はな」のように、語頭の「は」はそのまま。最大の落としどころ。
  3. 「いふ」は「いう」と書く。発音どおりに「ゆう」と書くのは誤り。
  4. 「てふ→ちょう」「けふ→きょう」「やうやう→ようよう」は、一文字ずつでは直せない長音。セットで覚える。
  5. 古語は現代語と意味がずれるものに注意。「をかし=おもしろい」「あやし=不思議だ」「うつくし=かわいらしい」「つとめて=早朝」「ありがたし=めったにない」。
  6. 「けり」は過去。「今は昔……ありけり」は、昔話を語り出す決まった形。
  7. 作品は時代・ジャンル・作者の三点セットで覚える。竹取物語=平安初期・物語・作者未詳/枕草子=平安・随筆・清少納言/平家物語=鎌倉・軍記物語/徒然草=鎌倉末・随筆・兼好法師/おくの細道=江戸・紀行文・松尾芭蕉。
  8. 旧暦は一〜三月が春。今の季節感と一か月以上ずれる。「弥生=三月」「師走=十二月」を軸に、十二の月名を順に言えるようにしておく。
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