中学1年 国語科 教材別テスト⑥ 模範解答・解説
「星の花が降るころに」(安東みきえ)/光村図書『国語1』
【このテストの使い方】 本文は載せていません。教科書『国語1』の「星の花が降るころに」のページを開いたまま解答します。この作品は、中学1年の「私」が、かつての親友との関係がうまくいかなくなったという身近な出来事を通して、気持ちの変化と小さな成長をえがいた物語です。「花」や景色といった情景が心情と重ね合わされている点が最大の読みどころなので、気持ちを言葉にする記述問題を多めにしています。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句・慣用句・漢字の知識(語の意味・慣用句・対義語・部首名・熟語の組み立て)2点×7=14点
三文法(用言の活用=活用形・活用の種類)2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「星の花が降るころに」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用形と、動詞の活用の種類を区別して答えられるか。
② 「私」とかつての親友の関係が、以前と今とでどう変わったかをとらえられるか。
③ 花を持って夏実を待ったことや、花を土の上に落としたことが、「私」の気持ちの動きを表していることに気づけるか。
④ 夏実に顔をそむけられたショックが、色や光の見え方の描写にも表れていることを読み取れるか。
⑤ 物語の終わりで「私」が前を向こうとしているという、わずかな成長の兆しをつかめるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①ちんもく⑪花束
②おさない⑫香り
③にぎる⑬涙
④となり⑭親しい
⑤ただよう⑮記憶
⑥あざやかな⑯校庭
⑦ながめる⑰芝生
⑧おそろしい⑱呼びかける
⑨ふつう⑲輝く
⑩とまどう⑳笑顔
小計 20点
【注意したい字】 ①「沈黙」の「沈」はさんずい。「沌」「況」と書きまちがえやすい。②③⑤⑥⑦⑧⑩の読みは送りがなの部分まで書いて正解(「おさ」「にぎ」だけでは×)。⑤「漂う」を「ひょう」と音で答えた誤りが多い。⑦「眺める」は「ちょう」ではなく「ながめる」。⑫「香り」は「薫り」も可だが、教科書体に合わせて「香り」が無難。⑮「記憶」の「憶」はりっしんべん。「記億」は×。⑰「芝生」は「しばふ」。「芝」の筆順と形に注意。⑲「輝く」は「光」+「軍」。「耀く」は×。⑳「笑顔」は「えがお」、「わらいがお」は×。
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二 語句・慣用句・漢字の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)イ「沈黙」=口を閉ざして何も言わないこと。この作品では、二人の間に生まれた気まずい沈黙が心情を表す重要な場面になっている。ア「小声で話す」は話しているので×。
(2)ウ「ぎこちない」=動作や言葉がなめらかでなく、不自然なようす。親しかった相手と久しぶりに話すときの、かたい感じを表す語。
(3)ア「言葉を濁す」=はっきり言わず、わざとあいまいな言い方をする。「濁す」は「にごす」と読む。
(4)イ「気まずい」=その場の雰囲気がしっくりこず、落ち着かない。(2)「ぎこちない」は動作・言い方、「気まずい」はその場の空気について言う語、という区別をおさえる。
(5)未来過去 ⇔ 未来。「現在」は過去・未来の間なので対義語ではない。
(6)さんずい「漂」の部首は「氵(水)」。「さんずい」と答える。「ひょう」など音読みを書いたものは×。
(7)ア「青空」=「青い空」で上の字が下の字を修飾する組み立て。「新芽(新しい芽)」が同じ。イ強弱は反対の意味、ウ乗車は「車に乗る」(下が上の目的・対象)、エ岩石は似た意味の組み合わせ。
小計 14点
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三 用言の活用 (2点×8=16点)
番号──線部解答解説(見分け方)
(1)かけ(よう)未然形動詞「かける」。下に「う・よう」「ない」が続く形は未然形。
(2)向い(た)連用形動詞「向く」。下に「た・て・ます」が続く形は連用形。ここは音が変わった形(イ音便)だが、活用形は連用形。
(3)咲く(花)連体形動詞「咲く」。下に名詞(体言)「花」が続くので連体形。五段動詞は終止形と同じ形になるが、言い切っていないので終止形ではない。
(4)明るけれ(ば)仮定形形容詞「明るい」。下に「ば」が続く形は仮定形。形容詞の仮定形は「〜けれ」。
(5)かすかだ終止形形容動詞「かすかだ」。言い切って文が終わっているので終止形。「かすかな」なら連体形。
(6)拾う五段活用「ない」をつけると「拾わない」=ア段になるので五段活用。
(7)見る上一段活用「ない」をつけると「みない」=イ段になるので上一段活用。
(8)するサ行変格活用「する」だけの特別な活用。「サ変」と略して書いたものも正答とする。なお「来る」はカ行変格活用(カ変)。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【用言の活用を見分けるコツ】 ① 活用形は「下に何が続いているか」で決まる。未然形=ない・う/連用形=た・ます/終止形=言い切り(。)/連体形=名詞が続く/仮定形=ば/命令形=命令で言い切る。
② 活用の種類は「ない」をつけて直前の音を見る。ア段=五段/イ段=上一段/エ段=下一段。「する」=サ変、「来る」=カ変だけは別扱い。
③ 活用形と活用の種類を混同するのが最大のミス。「五段活用」と問われているのに「連用形」と書いてしまう答案が毎年出る。問いの言葉を必ず確かめること。
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四 「星の花が降るころに」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
エ以前は何でも打ち明け合える親友だったのに、今は顔を合わせても言葉が出ない。「かつて親しかった」→「今は気まずい」という変化が、この作品全体の土台になっている。アは「けんかを続けている」、イは「別の学校に通っている」、ウは「顔も見たくないほどきらっている」とは書かれていないので誤り。
(2)
6点
(例)仲直りしようと思っていたのに無視され、大きなショックを受けた気持ち。(34字)「仲直りしたかった/話したかった」(3点)+「無視されてショック・悲しい・つらい」(3点)の二点で採点。
「うれしい」「楽しい」など方向のちがう感情は0点。「だまっていた」のように行動をなぞっただけのものは最大2点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(3)
3点
銀木犀(の花)小さな白い花が降るように散るようすを「星の花」とたとえている。「銀木犀」が書けていれば3点。「木犀」「白い花」のみは1点。「金木犀」は×(金木犀はだいだい色)。
(4)
6点
(例)すれちがいが続いた夏実と、仲直りをして話そうと決意していた。(30字)「夏実(親友)と仲直りしたい」(4点)+「話そう・向き合おうと決意していた」(2点)の二点で採点。
「花をわたそうと思っていた」だけのように仲直りの意図が書かれていないものは2点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(5)
4点
ア夏実に顔をそむけられた直後の「私」は、目の前の景色の色が飛ぶような感覚や、貧血のときのような見え方を経験している。これは大きなショックを受けて動揺している状態を、見え方の描写で表したもの。イ・ウ・エは本文の流れに合わない。
(6)
4点
ア戸部君は、「私」のなやみとは無関係に、いつもの調子でふるまう人物。そのかみ合わないやりとりが、思いつめていた「私」の気持ちをゆるめ、場面の空気を変えている。イのように仲直りを手伝う役ではない。
(7)
5点
(例)過ぎた思い出にすがるのをやめようという気持ち。(23字)「過去・思い出にこだわるのをやめる」が書けていれば5点。「あきらめる」「区切りをつける」「決別する」も可。
「新しい気持ちで進もうとする」も可。「花が邪魔になったから落とした」のように物としての理由だけのものは0点。二十〜三十字から外れたら−1点。
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四 「星の花が降るころに」の読解 (50点) (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
4点
イ情景描写が人物の心情を映し出す手法。夏実に無視された直後の色や光の見え方の描写が、「私」のショックを表しているように、情景と心の動きが対応している。アは説明文的な読み、ウ・エは作品のはたらきと無関係。
(9)
6点
(例)ふさいでいた気持ちが軽くなり、自分の力で前に進もうとする気持ち。(32字)「沈んでいた・重かった気持ちが軽くなる」(3点)+「これからを自分で歩んでいこうとする・前向きになる」(3点)の二点で採点。
「友人と仲直りできてうれしい」は0点(仲直りはしていない)。「悲しいままだった」のように変化を書いていないものも0点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(10)
3点
ウ「〜ころに」は季節のめぐりを示し、花の降る季節に「私」の出来事が起こったことを表す。季節のめぐりが心や関係の移り変わりと重ねられている点が題名の中心。アは見た目だけ、イ・エは本文と無関係。
(11)
5点
ア・イ・オウ…物語は中学生になった「私」の出来事なので×。エ…最後まで仲直りはしておらず、「私」が自分の気持ちに区切りをつけただけなので×。ア・イ・オの三つそろって5点(完答)。一つでも足りない、または余分があれば0点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この物語は仲直りの話ではない。最後まで関係は元にもどらない。「仲直りした」と書くと記述はほぼ全滅する。
  2. 変わったのは相手ではなく「私」の受け止め方。「成長」とは、相手を変えることではなく自分が前を向くこと。
  3. 花を持って夏実を待つ行動は、仲直りしたいという気持ちの表れ。花は「私」の気持ちと結びついている。
  4. 持ってきた花を土の上に落とす行動は、過去へのこだわりを手放す心の区切りを表す。
  5. 気まずい沈黙は「何も起きていない場面」ではない。言葉がないことそのものが心情の表現。
  6. 戸部君は、なやむ「私」とは別の世界にいる人物。そのかみ合わなさが「私」の気持ちをほぐす役割をもつ。
  7. 題名の「〜ころに」に注目。時間の流れ・季節のめぐりが主題と結びついている。
  8. 心情を問う記述は、行動をなぞるだけでは0点。必ず「〜という気持ち。」の形でまとめ、指定字数を守ること。
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