中学1年 国語科 教材別テスト⑧ 模範解答・解説
「蓬莱の玉の枝—「竹取物語」から」/光村図書『国語1』
【このテストの使い方】 教科書本文(現代語訳・脚注・解説をふくむ)は載せていません。教科書『国語1』の「蓬莱の玉の枝—「竹取物語」から」のページを開いたまま解答します。大問二の例文は、著作権の切れた『竹取物語』の古文から短く引用したものです。初めて古典を学ぶ単元なので、歴史的仮名遣いと古語の意味という「古文を読むための道具」を知識・技能でしっかり固め、思考・判断・表現では人物の行動から人物像・心情・物語の工夫を読み取る力をみます。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二歴史的仮名遣い・古語の意味・助動詞「けり」2点×9=18点
三古典の基礎知識・語句(成立時代・随筆・作者・係り結び・故事成語・同時代の作品)2点×6=12点
思考・判断・表現
50点
四「蓬莱の玉の枝—「竹取物語」から」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す規則(「は行」→「わ行」、「ゐ・ゑ」→「い・え」、「ぢ・づ」→「じ・ず」)を使えるか。
② 「いと」「あやし」「うつくし」のように、今とは意味がちがう古語を区別できるか。
③ 『竹取物語』が平安時代に作られた作品であることや、古典の基礎知識(随筆・係り結びなど)を理解しているか。
④ くらもちの皇子の行動(偽物を作らせる・苦労話を語る)から人物像をとらえ、うそが露見する展開を整理できるか。
⑤ 「作り話をくわしく語らせたうえで、職人の登場によって一気にくずす」という物語の工夫を、自分の言葉で説明できるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①きちょう⑪有名
②ほうせき⑫航海
③しょくぎょう⑬疑う
④くろう⑭材料
⑤いつわ(る)⑮準備
⑥なんだい⑯正直
⑦きぞく⑰謝る
⑧せいきゅう⑱珍しい
⑨おとず(れる)⑲伝説
⑩おどろ(く)⑳仕える
小計 20点
【注意したい字】 ①「貴重」と⑦「貴族」は同じ「貴」。「喜」と書かないこと。②「宝石」は「ほうせき」。「たからいし」は誤り。⑤「偽る」は送りがなまで必要。「偽」のつくりは「為」。⑧「請求」の「請」はごんべん。「清」「晴」と混同しやすい。⑨⑩も送りがなが必要(「訪ずれる」「驚ろく」は×)。⑬「疑う」、⑰「謝る」、⑱「珍しい」、⑳「仕える」は送りがなまで書けて正解。⑮「準備」の「準」は「淮」+「十」。「順備」は誤り。⑱「珍しい」は「めずらしい」。「珍らしい」と送らない。⑳は「主君につかえる」=そばにいて仕事をする意味なので「仕える」。「使える」は×。
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二 歴史的仮名遣い・古語 (2点×9=18点)
番号解答解説
(1)いう語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」と読む。「いふ」→「いう」。「ゆう」と書くのは誤り(仮名遣いを直す問題なので、発音どおりではなく一字ずつ置きかえる)。
(2)おかし語頭の「を」は「お」に直す。「をかし」→「おかし」。なお古語「をかし」の意味は「趣がある・おもしろい」で、今の「おかしい(変だ)」とはちがう。
(3)いたり「ゐ」は「い」、「ゑ」は「え」に直す。「ゐたり」→「いたり」(=座っていた)。
(4)はじ「ぢ」は「じ」、「づ」は「ず」に直す。「はぢ」→「はじ」。
(5)あわれ語中の「は」は「わ」。「あはれ」→「あわれ」。古語の「あはれ」は「しみじみと心を動かされる」という意味で、「かわいそう」だけではない。
(6)イ「いと」=とても・非常に。程度を強める副詞。「いとうつくし」=「とてもかわいらしい」。
(7)ア「あやし」=不思議だ・変だ。「あやしがりて(=不思議に思って)寄りて見るに」の形で有名。今の「怪しい(疑わしい)」の意味に寄せすぎないこと。
(8)イ「うつくし」=かわいらしい・いとおしい。今の「美しい」とちがい、小さいものへの愛情を表す。小さなかぐや姫の様子を表す語。
(9)イ「けり」は過去(〜た)を表す助動詞。「ありけり」=「あった・いた」。昔話の語り出しに使われる。
小計 18点
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三 古典の基礎知識 (2点×6=12点)
番号解答解説
(1)イ『竹取物語』は平安時代の初め(九世紀後半〜十世紀初め)ごろに作られたと考えられている。作者は不明。
(2)随筆作者が見聞きしたことや感じたことを、自由な形式で書いた文章を随筆という。『徒然草』『枕草子』などがその代表。「漢字二字」の指定なので、「ずいひつ」など仮名書きは×。
(3)ウ『竹取物語』の作者はわかっていない(作者未詳)。紫式部は『源氏物語』、清少納言は『枕草子』、兼好法師は『徒然草』の作者。
(4)係り結び「ぞ・なむ・や・か・こそ」などの係助詞を受けて、文末が終止形以外(連体形・已然形)に変わるきまりを係り結びという。「係り結び」(四字)で正解(「かかりむすび」と仮名で書いたものも正答とする)。
(5)ア「矛盾」=前後のつじつまが合わないこと。どんな盾も突き通す矛と、どんな矛も防ぐ盾を売った男の話から。皇子の長い苦労話も、職人の登場によって「矛盾」が明らかになる。
(6)ア『枕草子』は平安時代の随筆。イ『徒然草』は鎌倉時代末、ウ『万葉集』とエ『古事記』は奈良時代。
小計 12点 / 知識・技能 合計 50点
【歴史的仮名遣いを直す三つの手順】 ① 語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」(あはれ→あわれ/いふ→いう)。② 「ゐ・ゑ・を」→「い・え・お」(ゐたり→いたり/をかし→おかし)。③ 「ぢ・づ」→「じ・ず」(はぢ→はじ/よろづ→よろず)。※語頭の「は」はそのまま(はな→はな)。
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四 「蓬莱の玉の枝—「竹取物語」から」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
イかぐや姫は求婚そのものを断りたいが、はっきり拒めない。そこで手に入るはずのない品を求めて、あきらめさせようとした。難題は「結婚を断るための口実」である。
(2)
4点
ウ皇子は蓬莱へ行くふりをして姿を隠し、国内のすぐれた職人(工匠)たちに命じて偽物の玉の枝を作らせた。ア「自分で折り取った」は皇子の作り話の内容であって事実ではない。
(3)
6点
(例)作り話を本当のことと信じさせ、偽物だと見破られないようにするため。(33字)「本当のことだと信じさせる/信用させる」(3点)+「偽物(うそ)だと気づかれないようにする」(3点)の二点で採点。
「苦労したことを自慢したかったから」のように自慢だけにしたものは2点。「〜ため。」の形で書けていないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(4)
4点
イ翁は皇子の長い苦労話をすっかり信じ、かぐや姫に結婚をすすめる。翁が信じてしまうことが、後の露見をいっそうおもしろくしている。
(5)
5点
(例)玉の枝を作った職人たちが代金を求めて現れたこと。(24字)「職人(工匠)が現れた」(3点)+「代金(賃金)を求めた・まだ払われていないと訴えた」(2点)の二点で採点。
「翁が見抜いたこと」「かぐや姫が気づいたこと」は0点。「〜こと。」の形で書けていないものは−1点。二十〜三十字から外れたら−1点。
(6)
4点
ア偽物を作らせ、長い作り話を平然と語る点に、目的のために手段を選ばないずるさが表れている。身分の高さと中身のなさの落差も読みどころ。
(7)
6点
(例)本物かと思い胸がつぶれる思いだったが、偽物とわかり、ほっとして喜んだ。(35字)「玉の枝を見せられたときは、本物かと思って困り、心配した(胸がつぶれる思い)」(3点)+「うそとわかって安心した・喜んだ」(3点)の二点で採点。
「初めは結婚を断るつもりだった」など難題を出した動機を書いたものは、変化の「前」にあたらないので部分点のみ。変化が前後二つ書けていないものは3点まで。三十〜四十字から外れたら−1点。
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四 「蓬莱の玉の枝—「竹取物語」から」の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
4点
イ当時の人々にとって蓬莱は、中国の伝説に出てくる東の海のかなたにある不老不死の仙人の住む山(島)で、人の力ではたどり着けない遠い理想の地であり、宝のイメージと結びついていた。だからこそ「蓬莱の玉の枝」は不可能な難題になる。
(9)
6点
(例)長い苦労話を語らせた後に職人を登場させ、うそを一気に暴く展開にしている点。(37字)「作り話をくわしく(長々と)語らせる」(3点)+「職人の登場で一気にうそがくずれる・どんでん返しになる」(3点)の二点で採点。
「皇子がかわいそうだと思った」など感想だけのものは0点。「翁が皇子の話を信じこんでいたのに、あっけなくうそがばれてしまうおかしさ。」(36字)も正答。三十〜四十字から外れたら−1点。
(10)
3点
イ「今は昔」=「今からみれば昔のことだが」。昔話・物語の語り出しの決まり文句で、「今となっては昔の話だが」と訳す。
(11)
4点
ア・ウ・オア…皇子は蓬莱へ行くふりをして姿をかくし、職人に偽物を作らせた(○)。ウ…くらもちの皇子は身分の高い人物(○)。オ…皇子は玉の枝を持ってかぐや姫のもとへ来た(○)。イ…玉の枝は偽物で、かぐや姫は結婚していないので×。エ…かぐや姫は求婚を断るために難題を出しており、皇子を気に入ってはいないので×。ア・ウ・オの三つそろって4点(完答)。一つでも誤りをふくむものは0点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. 歴史的仮名遣いは一字ずつ置きかえるのが原則。「いふ」は「いう」。発音につられて「ゆう」と書く誤りが最も多い。
  2. 語頭の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は直さない。直すのは語中・語尾だけ(はな→はな/あはれ→あわれ)。
  3. 古語は今と意味がちがうものに注意。「うつくし」=かわいらしい、「あやし」=不思議だ、「をかし」=趣がある、「いと」=とても。
  4. 『竹取物語』は平安時代の日本最古の物語(作り物語)。作者は不明。「かぐや姫」は作品名ではない。
  5. 「蓬莱」は実在の場所ではなく、中国の伝説の不老不死の地。「行けない場所」だから難題になる、という理由づけまで理解する。
  6. 皇子が語った航海の苦労話は、すべて作り話。本文に書かれていても「事実」とは限らない。語り手の言葉と出来事を区別すること。
  7. 物語の工夫は「ためて、くずす」構造。長い自慢話 → 翁が信じる → 職人の登場で一気に露見、という順序でおさえる。
  8. 記述は問いの形に合わせる。理由は「〜ため。」、きっかけは「〜こと。」、心情の変化は前と後の二つを必ず書く。
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