中学2年 国語科 教材別テスト① 「見えないだけ」 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学2年 国語
【このテストの使い方】 詩の本文は載せていません。教科書『国語2』(光村図書)の「見えないだけ」(牟礼慶子)のページを開いたまま解答します。この詩はとても短いので、一語一語の働きと連ごとの組み立てをていねいに確かめることが学習の中心になります。字句を書き抜かせる問題は作らず、選択式と「〜という感じ。」「〜ということ。」の形の記述で読み取りを確かめる構成にしています。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句の知識(対義語・慣用句・語の意味・熟語の組み立て)2点×7=14点
三詩の表現技法の用語(直喩・隠喩・擬人法・反復・倒置・体言止め・連・口語自由詩)2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「見えないだけ」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 詩の表現技法を表す用語(直喩・隠喩・擬人法・反復・倒置・体言止め・連・口語自由詩)を正しく書けるか。
② 対になる二つの行を並べる組み立て(対句)と、同じ語のくり返し(反復)に気づけるか。
③ 擬人法によって、まだ見えない世界が「生きて存在している」ものとして描かれていることを読み取れるか。
④ 話し手の視点が、身近な場所から空・海・その向こう・未来へと外へ広がっていく構成をつかめるか。
⑤ 題名の「だけ」と、確信を示す言い方が生み出す希望の調子をとらえ、主題を自分の言葉でまとめられるか。
1 / 6
一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①さんみゃく⑪希望
②ふんいき⑫信頼
③かく(れる)⑬宇宙
④たし(かな)⑭季節
⑤わ(く)⑮地平線
⑥きざ(し)⑯暖かい
⑦つばさ⑰輝く
⑧かなた⑱鮮やかな
⑨かきね⑲沈む
⑩にじ⑳柔らかい
小計 20点
【注意したい字】 ②「雰囲気」は「ふいんき」と読む誤りが非常に多い。「ふんいき」が正しい。③④⑤⑥は送りがなまで必要(「隠れる」「確かな」「湧く」「兆し」)。⑥「兆し」は「ちょうし」と読まない。⑧「彼方」は熟字訓で「かなた」。⑫「信頼」の「頼」は右が「頁」。「願」と混同しない。⑮「地平線」は三字とも漢字で書く。⑯〜⑳はすべて送りがなまで書くこと。⑯「暖かい」は気温・空気に使う。心や料理には「温かい」。⑰「輝く」は「光く」などと書かない。⑱「鮮やかな」の送りがなは「やかな」。⑳「柔らかい」は「軟らかい」も可だが、風や光には「柔」を使う。
2 / 6
二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)理想現実 ⇔ 理想。「空想」「夢想」は対義語ではないので不可。
(2)過去未来 ⇔ 過去。「現在」は間に位置する語なので対義語にならない。
(3)イ「胸をふくらませる」=期待や希望で心をいっぱいにする。この詩全体の調子にも通じる慣用句。
(4)ア「息をのむ」=おどろきや感動で、はっとして一瞬息を止める。「息が切れる」とは別の慣用句。
(5)ア「かなた(彼方)」=遠くはなれた向こうのほう。「こなた」が「こちら」。
(6)ア「兆し」=これから何かが起こりそうな様子、前ぶれ。「きざし」と読む。
(7)イ「道路」=「道」+「路」で似た意味の漢字の組み合わせ。「永久」も「永い」+「久しい」で似た意味。ア高低は反対の意味、ウ読書は「書を読む」で目的語の関係、エ国立は「国が立てる」で主述の関係。
小計 14点
三 詩の表現技法の用語 (2点×8=16点)
番号解答解説(覚え方)
(1)直喩「明喩」も可。「ようだ・ような・みたいだ」が見えているたとえ。「直接」示すから直喩。
(2)隠喩「暗喩」も可。たとえの印が隠れている。「〜は〜だ」と言い切る形が多い。
(3)擬人法人でないものを人のようにあつかう。「風がささやく」「海が眠る」など。広い意味では隠喩の一種。
(4)反復(法)「くり返し」も可。調子を整え、意味を強める。この詩でもくり返しが大きな働きをしている。
(5)倒置(法)ふつうの語順をひっくり返す。述語が前に出て、感動や強調が生まれる。
(6)体言止め行や文の終わりを名詞(体言)で止める。言い切らないことで余韻が残る。
(7)連「段落」ではなく「連」。詩では一行空けて区切る。
(8)口語自由詩「口語」=現代の話し言葉、「自由詩」=音数・行数の決まりがない。「見えないだけ」もこの形式。「文語定型詩」との区別を確認しておくこと。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
3 / 6
【表現技法を見分けるコツ】 ① 「ようだ」があるかを最初に見る(あれば直喩、なければ隠喩)。② たとえられている側が人の動作をしていれば擬人法。③ 同じ形の行が並んでいれば対句、同じ語が何度も出てくれば反復。この二つは同時に成り立つことが多い。④ 技法を答えるだけで終わらせず、「その技法で何が強調されたか」を必ず言葉にする習慣をつけること。記述問題はここが得点源になる。
四 「見えないだけ」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
3点
ア第一連は、上を見上げた場所と、下へ深くもぐった場所とが対にして並べられている。上と下という正反対の方向を一組にすることで、世界が縦にも広がっていくことが示される。
(2)
3点
対句「対句法」も可。「比喩」「反復」は不可。似た組み立ての行を向かい合わせに並べるのが対句。この詩では連の中でくり返し用いられ、ゆったりとしたリズムを生んでいる。
(3)
3点
ア教科書の詩で何度も出てくるのは「もっと」。「もっと」は、今ここにあるものよりさらに先・さらに大きいものを指し示す語。これがくり返されることで、読者の視線が次々に外へ押し出されていく。
(4)
4点
イ反復の効果を問う問題。「もっと」が重なるたびに世界の奥に新しい世界が見つかり、世界が限りなく広がっていく印象になる。ア「退屈」・ウ「あせり」・エ「さびしさ」は、この詩の明るい調子と合わないので誤り。
(5)
3点
擬人法「擬人化」も可。「比喩」だけでは不十分(1点)。人でないものが人のようにふるまう表現であることを押さえる。
(6)
6点
(例)まだ見えない世界が、生き物のように確かに存在しているという感じ。(32字)満点の条件…「生き物(人)のように生きている・息づいている」(3点)+「確かに存在している・ちゃんとある」(3点)の二点がそろっていること。
部分点…どちらか一方だけなら3点。「きれいな感じ」「すごい感じ」など印象の言葉だけのものは1点。技法の名前を書いただけ(「擬人法の感じ」)は0点。
「〜という感じ。」の形になっていないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(7)
4点
ア「あんなに」という指示の言葉と「確かに」という断定が重なることで、話し手が見えないものの存在を疑っていないことがわかる。この確信が、詩全体を希望の調子にしている。イ「疑い」は正反対。
4 / 6
四 「見えないだけ」の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
4点
イ題名の読み取り。「だけ」は「それ以外は何も問題がない」と限定する助詞。つまり「無いのではなく、ただ今は目に映っていないだけ」という意味になる。ア・ウのように否定の意味に取ると、題名の働きが真逆になる。
(9)
3点
イ構成の読み取り。視点は身近な場所 → 空・海 → その向こう → これから来る時間へと、場所から時間へ、内から外へと移り広がっていく。最後にその広がりが「見えないだけ」と結ばれる。
(10)
7点
(例)今は見えなくても、すばらしい世界は確かにあると信じて生きようとする希望。(36字)満点の条件…①「今は見えない/目に映らない」(2点)+②「すばらしいもの・世界が確かに存在する」(3点)+③「それを信じる・希望をもって生きる」(2点)の三要素。
部分点…②だけなら3点。②+①で5点。③が欠けているものは最大5点(主題は「希望」にまで届かせたい)。
「空と海の詩である」など内容の要約だけで主題になっていないものは2点。二十五〜四十字から外れたら−1点。
(11)
5点
(例)「もっと」を少し強めて読み、最後の一行はゆっくり静かに読む。世界が広がっていく感じと、確かな希望を伝えたいからだ。(57字)自由記述。固定の正解はなく、ルーブリックで採点する。
5点…具体的な読み方の工夫(強弱・速さ・間の取り方・声の高さなど)が書かれ、その理由がこの詩の表現や主題(反復・対句・広がり・希望・確信など)と結びついている。
3点…工夫と理由の両方があるが、理由が「そのほうがきれいだから」など詩の内容に結びついていない。
2点…工夫だけ、または理由だけ。
0点…「大きな声で読む」など音読一般の注意にとどまり、この詩に即していない。
四十〜六十字から外れたら−1点。
(12)
5点
ア・ウア…星が「笑っている」と人の動作で表しているので○。ウ…空が「泣いている」と人の動作で表しているので○。
イ…「ような」を使った直喩なので×。エ…「〜は〜だ」の形でたとえた隠喩なので×。オ…鳥が飛ぶのは事実をそのまま述べた文なので×。
ア・ウの二つがそろって5点(完答)。一つでも足りない、または余分な記号があれば0点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
5 / 6
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この詩は口語自由詩。音数の決まりはなく、句点(。)もほとんど使われない。「定型詩」としないこと。
  2. 詩の区切りは「段落」ではなく「連」。用語を正しく使い分ける。
  3. 対になる行が並ぶ組み立ては対句、同じ語が何度も出るのは反復。両方が同時に働いていることに気づくのがこの詩の要。
  4. ものが人のようにふるまう表現は擬人法。これにより、まだ見えない世界が「今まさに生きて存在している」ものとして感じられる。
  5. 視点は上下へ、向こうへ、そして未来へと広がる。場所の広がりが時間の広がりへ変わるところが山場。
  6. 題名の「だけ」は打ち消しではなく限定。「無い」のではなく「まだ目に映っていない」。ここを逆に読むと全問崩れる。
  7. 確信を示す言い方(「あんなに」「確かに」)が、詩の調子をさびしさではなく希望にしている。暗い方向に解釈しないこと。
  8. 記述は技法の名前を書くだけでは0点。「その技法によって何がどう感じられるか」まで書き、「〜という感じ。」「〜ということ。」の形で結ぶ。
6 / 6