中学2年 国語科 教材別テスト④ 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学2年 国語 / 「クマゼミ増加の原因を探る」(沼田英治)/光村図書『国語2』
【このテストの使い方】 本文は載せていません。教科書『国語2』の「クマゼミ増加の原因を探る」のページを開いたまま解答します。この文章は、話題提示 → 仮説 → 検証(実験・観察) → 結論という科学的な文章の型で書かれた説明文です。「何が書いてあるか」を覚えるのではなく、筆者がどう考えを進めたか(論の運び方)を追うことが読みの中心になります。そのため、記述は「〜ため。」「〜こと。」の形でまとめさせる問題を多くしてあります。グラフ・図表は本文と行き来しながら確認させてください。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句の知識(語の意味・対義語・慣用的な言い方・熟語の組み立て)2点×7=14点
三接続語の働き・接続語の補充・指示語の内容2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「クマゼミ増加の原因を探る」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 接続語の働き(順接・逆接・並立添加・対比選択・説明補足・転換)を区別し、指示語の指す内容をとらえられるか。
② 筆者が立てた三つの仮説を、それぞれ区別して説明できるか。
③ 仮説 → 実験・観察 → 結果 → 考察という科学的な手順を理解しているか。
④ グラフ・図表が、筆者の主張を事実で裏付ける働きをしていることに気づけるか。
⑤ ヒートアイランド現象(気温の上昇)と都市化(地面の硬化・乾燥)という二つの要因が重なったという、結論の組み立てをとらえられるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①さぐ(る)⑪正確
②じょうしょう⑫資源
③かせつ⑬複雑
④けんしょう⑭議論
⑤かんそう⑮環境
⑥ようちゅう⑯根拠
⑦たまご⑰影響
⑧つゆ⑱推測
⑨かた(い)⑲破れる
⑩こうさつ⑳著しい
小計 20点
【注意したい字】 ①「探る」は「さぐる」。「たんる」のような音読みの誤りに注意。送りがな必要。④「検証」の「検」は木へん。「険」「験」との書き分けに注意。⑤「乾燥」は二字ともむずかしい。「乾」は十画、「燥」は火へん(「操」=手へんと混同しやすい)。⑧「梅雨」は熟字訓で「つゆ」。「ばいう」とも読むが、ここでは「つゆ」が自然。⑨「硬い」は石へん。「固い」「堅い」との使い分けも確認。⑯「根拠」の「拠」は手へん。⑰「影響」はどちらも画数が多い。「響」の下は「音」。⑮「環境」の「環」は王へん。⑲「破れる」、⑳「著しい」は送りがなまで書けて正答(「著い」「著るしい」は×)。「破れる」は布や紙に、「敗れる」は試合に使う。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)ア「考察」=調べて得られた結果の意味を考えること。イは「計画」、エは「記録」にあたる。結果(事実)と考察(その意味づけ)は別のものであることをおさえる。
(2)ア「要因」=そうなるもとになった主な原因。「原因」とほぼ同じ意味で、いくつかある原因のうちの一つをさすときによく使う。
(3)ア「検証する」=実際に調べて、正しいかどうかをはっきりさせること。仮説は立てただけでは終わらず、検証されなければならない。ウ「結果を知らせる」は「報告」、エ「大まかに見わたす」は「概観」。
(4)減少増加 ⇔ 減少。「増える」の対は「減る」。
(5)下降上昇 ⇔ 下降。「低下」も意味は近いが、「上昇」とちょうど対になる形は「下降」。「低下」も可とする。
(6)イ「裏付ける」=別の証拠によって確かであることを示す。説明文では、グラフや実験結果が主張を裏付けるという形で使う。
(7)イ「増加」=「増える」と「加わる」で似た意味の漢字の組み合わせ。同じ組み立ては「永久」(永い+久しい)。ア「加熱」は「熱を加える」(下が目的)、ウ「読書」も目的、エ「高低」は反対の意味。
小計 14点
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三 接続語・指示語 (2点×8=16点)
番号解答解説(見分け方)
(1)ア(順接)「だから」=前が原因・理由、後が結果。「したがって」「それで」も同じ働き。
(2)イ(逆接)「しかし」=前から予想されることと逆の内容が続く。「ところが」「だが」も同じ。
(3)ウ(並立・添加)「また」=前と同じ資格の内容をつけ加える。「そして」「さらに」も同じ。
(4)オ(説明・補足)「つまり」=前の内容を言いかえて説明する。「すなわち」「要するに」も同じ。「なぜなら」(理由の補足)もこの仲間。
(5)イ「雨が降っていた」→ふつうなら試合は中止になりそうだが、予定どおり行われた。前から予想されることと逆の内容が続くので逆接の「ところが」。ア「そして」は添加、ウ「なぜなら」は理由、エ「または」は選択で不適。
(6)(例)校庭の桜が例年より早く咲いたこと。(17字)指示語は直前をさがすのが原則。「校庭の桜が例年より早く咲いた」という一文の内容全体をさしている。「桜」だけ、「校庭」だけのように語で答えたものは不可。文末が「〜こと。」でまとまっていれば可。二十字を超えたら−1点。
(7)イ前後で二つのものを比べているので、対比の「一方」。ア「そのうえ」は添加、ウ「したがって」は順接、エ「たとえば」は例示で、いずれも「増えた/減った」という対比を表せない。
(8)川の水位指示語は直前をさがすのが原則。「それ」は直前の文の「川の水位」をさす。四字ちょうどで抜き出すこと。「水位」「川の水位にも目を向けた」は字数が合わず不可。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【論理用語の整理】 前提(話を進めるうえで認めておく条件)→ 仮説(仮に立てた説明)→ 検証(実験・観察で確かめる)→ 結果(確かめて得られた事実)→ 考察(結果の意味を考える)→ 結論(最終的なまとめ)。「原因」のうち主なものを要因と呼ぶ。この流れを言葉で言えるようにしておくと、説明文全体の見通しがよくなります。
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四 「クマゼミ増加の原因を探る」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
ア文章の初めで示される課題設定(問い)。エ「都市の気温が上がった理由」は、この文章では答えるべき問いではなく、原因を考える手がかり(前提)として扱われている点に注意。
(2)
3点
イ仮説は検証される前の仮の説明。エ「確かめる必要のない空想」が×であるのは、筆者が実際に実験・観察で一つずつ確かめているから。
(3)
4点
(例)気温の上昇で、冬の寒さによる卵の死亡が減ったため。(25字)「気温が上がった」(2点)+「冬の寒さで死ぬ卵が減った」(2点)の二点で採点。「暖かくなった」も可。「卵」を「幼虫」「成虫」と書いたものは後半0点。文末が「〜ため。」になっていなくても、理由として読めれば減点しない。二十〜三十字から外れたら−1点。
(4)
4点
アクマゼミの卵がふ化するには雨の湿り気が必要。気温の上昇でふ化の時期が早まった結果、雨の多い梅雨に間に合うようになったという仮説。「早まる」と「遅れる」を取りちがえてイを選ぶ誤りが最も多い。
(5)
5点
(例)都市化で地面が硬く乾燥しても、クマゼミの幼虫は生き残れるため。(31字)「都市化で地面が硬くなり乾燥した」(2点)+「クマゼミの幼虫はそれに強く、もぐれる/生き残れる」(3点)の二点で採点。
「ほかのセミより強い」という比較に触れたものは加点扱いでよい(上限は5点)。地面の変化だけを書いてクマゼミ側の強さに触れていないものは2点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(6)
4点
イグラフ・図表は数や量という事実で主張を裏付けるもの。ア「かざり」、エ「読者にゆだねる」は説明文の図表の働きとして誤り。本文と図表を行き来して読む姿勢が問われている。
(7)
5点
ア・ウ・オ実験・観察で実際に確かめられた結果(事実)は、ア「水を与えた鉢だけ芽が出た」、ウ「水を与えない鉢は芽が出なかった」、オ「土の量は同じだった」(実験の条件)。イ「このことから…考えられる」は結果をもとにした考察、エ「おそらく…にちがいない」は確かめていない予想(仮説)なので×。ア・ウ・オの三つがそろって5点(完答)。一つでも欠けたり余分があれば0点。
(8)
4点
ア科学的な研究の手順は仮説 → 実験・観察 → 結果 → 考察。「結果が出てから仮説を立てる」としたウを選ぶ誤りに注意。先に問いと仮説があることがこの文章の特徴。
(9)
5点
(例)ヒートアイランド現象による気温の上昇と、都市化による地面の乾燥が重なったこと。(38字)「気温の上昇(ヒートアイランド現象)」(2点)+「地面の硬化・乾燥(都市化)」(2点)+「二つが重なった」(1点)の三点で採点。
どちらか一方しか書けていないものは最大2点。「人間のせい」のようなばくぜんとした書き方は加点しない。三十〜四十字から外れたら−1点。
(10)
4点
イこの文章の結論は「原因は一つではない」という形をとる。アのように一つの原因に決めつけたものは、筆者の考えと正反対。ウ「失敗」も明らかな誤り。
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四 「クマゼミ増加の原因を探る」の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(11)
4点
ア話題提示 → 仮説 → 検証 → 結論という構成をふつうの言葉で言いかえたのがア。イは「頭括型で理由が一つ」、ウは「対比して読者に判断をゆだねる」、エは「随筆・回想」の構成で、いずれもこの文章とは合わない。
(12)
4点
(例)予想を仮説として立て、実験や観察で一つずつ確かめ、結果をもとに考えて結論を導くことが大切だ。(46字)【ルーブリック】
4点…①「仮説を立てる」②「実験・観察で確かめる(検証する)」の二つに触れ、さらに③「一つずつ確かめる」または「原因を一つに決めつけない/複数の要因を考える」のいずれかが入っており、四十〜五十字におさまっている。
3点…①②に触れているが③が弱い、または字数が範囲から1〜5字外れている。
2点…①②のどちらか一方しか書けていない。
1点…「よく調べることが大切」のように、ばくぜんとした感想にとどまる。
0点…本文と無関係な内容、または無解答。
※「思い込みで決めない」「事実(データ)で確かめる」という方向の答えも、①②に相当すれば満点とする。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
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【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この文章の問いは「なぜ大阪でクマゼミが増えたのか」。「なぜ都市の気温が上がったのか」は問いではなく前提。ここを取りちがえると全体がずれる。
  2. 仮説は三つある。①冬の寒さによる卵の死亡が減った、②ふ化の時期が早まって梅雨に間に合うようになった、③硬く乾いた地面にもクマゼミの幼虫は強い。三つを混ぜて答えないこと。
  3. 仮説②は「ふ化が早まった」。「遅れた」と逆に覚えてしまう誤りが非常に多い。卵のふ化には雨が必要→だから梅雨に間に合うことが重要、という筋をおさえる。
  4. 仮説③は「地面が硬く乾いた」だけでは答えにならない。クマゼミの側が乾燥や硬さに強いという点までセットで書く。
  5. 筆者は仮説をすべて正しいと決めつけていない。実験・観察で一つずつ検証し、結果を考察してから結論を出している。「検証」「考察」「結論」を混同しないこと。
  6. グラフ・図表は飾りではない。本文の主張を事実で裏付けるためにある。図表だけを見て答えたり、逆に本文だけ読んで図表を飛ばしたりしないこと。
  7. 結論は「原因は一つではない」という形。ヒートアイランド現象(気温の上昇)と都市化(地面の硬化・乾燥)という二つの要因が重なったからこそ増加が起きた、という重ね合わせの構造が最大のポイント。
  8. 記述は「〜ため。」(理由)/「〜こと。」(内容)と、問われ方に合わせて文末をそろえる。語句を並べただけ、本文の語を写しただけの答えは得点にならない。
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