中学2年 国語科 教材別テスト⑦「盆土産」 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学2年 国語 / 「盆土産」(三浦哲郎)光村図書『国語2』
【このテストの使い方】 本文は載せていません。教科書『国語2』の「盆土産」のページを開いたまま解答します。この作品は、母を亡くし祖母と姉と暮らす小学生の「少年」の視点で語られる小説です。えびフライという土産をめぐる出来事を通して、言葉には出さない家族の情愛が描かれます。したがって大問四では、行動や言葉のうらにある気持ちを自分の言葉でまとめる記述問題を中心に出題しています。抜き出しではなく、「〜という気持ち。」「〜こと。」「〜ため。」の形で書く練習をしてください。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句の知識(語の意味・慣用句・対義語・類義語・熟字訓)2点×7=14点
三文法(助動詞の意味・用法)2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「盆土産」の読解(12小問)50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 助動詞(れる・られる/そうだ/ようだ/せる・させる など)の意味・用法を、文脈から見分けられるか。
② 語り手が小学生の「少年」であることをとらえ、その視点から語られる効果を説明できるか。
③ 母の死・父の出稼ぎという家族の状況を正しく読み取り、そのうえで少年の心情を考えられるか。
④ えびフライという土産が、作品の中でどのような意味をもつか(ごちそう/父の愛情/母への供え物)を説明できるか。
⑤ 最後の別れの場面の「えびフライ。」という一言に込められた言葉にならない思いを、自分の言葉で書けるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①はかまいり⑪好物
②ぶつだん⑫油
③せんこう⑬氷
④ちょうちん⑭脱ぐ
⑤でかせぎ⑮黙って
⑥きせい⑯涙
⑦けいりゅう⑰迎える
⑧とうとつ⑱見送る
⑨えんりょ⑲祖先
⑩なつ(かしい)⑳笑顔
小計 20点
【注意したい字】 ①「墓参り」は「ぼさん」ではなく「はかまいり」。②「仏壇」の「壇」はつちへん。「壇」と「檀」(きへん)を書き分ける。④「提灯」は熟字訓に近い読み方で「ちょうちん」。「ていとう」は誤り。⑤「出稼ぎ」は「でかせぎ」。「でかせき」と濁点を落としやすい。⑥「帰省」の「省」を「清」「精」と書かないこと。⑦「渓流」の「渓」はさんずい。⑰「迎える」はしんにょう。「迎かえる」と送りがなを多く書く誤りが多い。⑭⑮⑰⑱は送りがなまで正しく書けて1点。⑳「笑顔」は「えがお」。「わらいがお」は誤り。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)イ「唐突」=前おきもなく、急であること。「突然」とほぼ同じ意味。エの「まわりに気をつかう」は「遠慮」の意味。
(2)イ「気が気でない」=心配や期待のために、じっとしていられない。父の帰りを待つ少年の状態を言い表すのにぴったりの慣用句。
(3)ア「目を細める」=うれしさ・いとおしさで、にこやかな顔つきになる。視力が落ちる意味ではない。
(4)イ「ほおばる」=ほお(頬)がふくらむほど、口いっぱいに食べ物を入れる。ごちそうを夢中で食べる様子を表す。
(5)失望期待 ⇔ 失望。「落胆」も反対の意味を表すが、ここは漢字二字の指定なのでどちらでも正答とする。「絶望」は意味が強すぎるため△(教員の判断で可)。
(6)郷里「故郷」=生まれ育った土地。類義語は「郷里」「故里」「生地」など。「郷里」を標準解答とし、「故里」も正答。「田舎」はひらがな・訓読みなので×。
(7)ア「土産」=みやげ、「田舎」=いなか。どちらも漢字一字ずつの音訓では読めない熟字訓。イ「旅行」ウ「荷物」エ「包装」はふつうの音読み。
小計 14点
三 助動詞の意味・用法 (2点×8=16点)
番号──線部解答解説(見分け方)
(1)れる受け身「姉に笑われる」=ほかから動作を受ける。「〜に(よって)」という動作主を補えるのが目印。
(2)られる可能「起きられる」=〜することができる。「〜ことができる」と言いかえられるかで判断する。
(3)れる自発「思い出される」=自然とそうなる。「自然に〜してしまう」と言いかえられる。「思う・感じる・しのぶ」などの心の動きを表す語につきやすい。
(4)られる尊敬「先生が入られる」=敬意を表す。主語が敬う相手(先生・お客様など)であることが決め手。「お〜になる」と言いかえられる。
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三 助動詞の意味・用法(つづき)
番号──線部解答解説(見分け方)
(5)そうだ伝聞「帰るそうだ」=人から聞いた話。終止形(帰る)に接続している形は伝聞。
(6)そうだ様態「降りそうだ」=そういう様子に見える。連用形(降り)に接続している形は様態。(5)との区別は接続で決める。
(7)ようだ比喩(たとえ)「羽のようだ」=たとえ。「まるで〜のようだ」と「まるで」を入れられるかで判断する。入れられなければ推定。
(8)せる使役「持たせる」=ほかの人に〜させる。「〜するようにさせる」と言いかえられる。五段・サ変には「せる」、上一・下一・カ変には「させる」がつく。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【助動詞を見分けるコツ】 ① 「れる・られる」は四つ(受け身・可能・自発・尊敬)。「〜に」を補えれば受け身/「〜できる」なら可能/「自然に」なら自発/主語が敬う人なら尊敬。
② 「そうだ」は接続で決まる。連用形+そうだ=様態、終止形+そうだ=伝聞。(例)「降り‐そうだ」=様態/「降る‐そうだ」=伝聞。
③ 「ようだ」は「まるで」が入れば比喩、「どうやら」が入れば推定。
④ 「た」は過去・完了・存続(「〜ている」の意味なら存続)。「う・よう」は意志・推量・勧誘(「〜しよう」と呼びかけていれば勧誘)。
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四 「盆土産」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
3点
イ語り手は小学生の少年。えびフライを初めて見たときの驚き、父を待つそわそわした心の動きが、説明ぬきで直接読者に伝わる。アは「大人になった語り手」が誤り(回想の形ではない)。ウは全知の語り手の説明で誤り。
(2)
3点
ウ少年は母を亡くし、祖母と姉と三人で暮らしている。父は東京へ出稼ぎに出ており、盆に帰省する。この家族構成をおさえていないと、墓参りや仏壇の場面の意味がつかめない。
(3)
5点
(例)父の帰りが待ちきれず、うれしくて落ち着かない気持ち。(26字)「待ちきれない・早く会いたい」(3点)+「うれしい/落ち着かない・そわそわする」(2点)の二点で採点。
「心配な気持ち」「不安な気持ち」だけでは0点。「〜気持ち。」で結んでいないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(4)
3点
アえびフライは、父が都会から持ち帰った、村では見たこともないごちそう。だからこそ家族は名前もうまく言えず、何度も口にする。イ・エは「ありふれた/よく作る」が誤り。
(5)
3点
エ言いまちがえたり何度もくり返したりする様子にはおかしみ(ユーモア)があるが、同時にそんなごちそうを知らずに暮らしてきたつましさも伝わる。笑いと切なさが同時にあるのがこの作品の味わい。イのように「笑い物にする」のではない。
(6)
5点
(例)おかしみの中に、年老いた祖母への切なさがにじみ出ていること。(30字)「思わず笑ってしまうおかしみ」(2点)+「年老いた祖母をあわれに思う切なさ・いとおしさ」(3点)の二点で採点。
「歯がないからかわいそう」という内容でも、おかしみと切なさの両方にふれていれば満点。どちらか一方だけなら半分。
祖母の言葉を書き写しただけのものは0点。「〜こと。」で結んでいないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
(7)
5点
(例)亡くなった母にも、家族と同じごちそうを味わわせてあげるため。(30字)「亡くなった母にも」(3点)+「同じごちそうを食べさせたい/いっしょに味わってほしい」(2点)の二点で採点。
「仏壇だから供えるのが決まりだから」という習慣の説明だけは0点。死んだ母を今も家族の一人として数えていることに気づけているかが分かれ目。「〜ため。」で結んでいないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。
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四 「盆土産」の読解(つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
7点
(例)父と別れるのが寂しく、別れの言葉の代わりに思いを伝えたい気持ち。(32字)本教材最大の読みどころ。「さようなら」「また来てね」と素直に言えない少年が、口をついて出たのが「えびフライ。」という一言だった。
「別れがさびしい・また帰ってきてほしい」(4点)+「うまく言葉にできず、えびフライという言葉に思いを託した」(3点)の二点で採点。
「もっとえびフライが食べたかったから」という食べ物の話だけにしたものは0点。
三十〜四十字から外れたら−1点。
(9)
3点
イ方言は、その土地に生きる人々の暮らしや、家族のやりとりのあたたかさを生々しく伝える。標準語に直すと、この手ざわりは失われる。ア・ウ・エは方言を低く見たり、ずれた説明になっている。
(10)
3点
ウ「盆土産」とは、盆に帰る父が持ち帰る土産のこと。それは単なる食べ物ではなく、離れて暮らす父の家族への愛情であり、それを待つ家族の思いをつなぐ証。アのように「まずしさ」だけを読むのは浅い。
(11)
4点
ア・ウ・オア「肩の荷が下りる」=責任や負担がなくなってほっとする、で○。ウ「舌を巻く」=あまりのすばらしさに感心する、で○。オ「猫の手も借りたい」=非常に忙しい、で○。イ「足が棒になる」=長く歩いたり立ったりして足が疲れる意味で、緊張した場面には使えないので×(緊張なら「足がすくむ」)。エ「取りつく島もない」=相手の態度が冷たく、話しかけるきっかけがない意味で、病気で寝込んだ友人の話には合わないので×。ア・ウ・オの三つそろって4点(完答)。一つでも欠けたり、余分に選んだりしたら0点。
(12)
6点
(例)直接の言葉ではなく、土産のえびフライや墓参りといった行いを通して、たがいを思う心が描かれている。(48字)【ルーブリック】
・A(6点)…「愛情を言葉で言い表さない(直接語らない)」+「土産・食事・墓参りなどの具体的な行いを通して描かれる」の二点がそろっている。
・B(4点)…どちらか一方にふれている。
・C(2点)…「家族が仲よく、あたたかい」程度の感想にとどまる。
・D(0点)…あらすじの要約のみ、または無解答。
※四十〜五十字から外れたら−1点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
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【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. 語り手は小学生の「少年」。大人になってからの回想ではない。だから説明が少なく、気持ちは行動や言葉づかいからしか読めない。
  2. 家族の状況=母は死んでいる/祖母と姉と三人暮らし/父は東京へ出稼ぎ。この三点を最初におさえる。
  3. えびフライは「おいしい食べ物」ではなく、都会から来たごちそう=父の愛情の形。作品全体を貫く中心のものとして読む。
  4. 家族が「えびフライ」をうまく言えない場面は笑いだけではない。おかしみと、そんなごちそうを知らなかった暮らしのつましさ・切なさが重なっている。
  5. 祖母の「歯がねえのに」は、笑わせる言葉でありながら、年老いた祖母のあわれさをにじませる。笑いと哀しみが同時にあることを説明できるように。
  6. 仏壇に供える行為は単なる習慣ではない。死んだ母を今も家族の一人として数えていることの表れ。
  7. 最後の「えびフライ。」は食べ物の話ではない。「行かないで」「また来て」と言えない少年の、言葉にならない思いがこの一語に託されている。最大のポイント。
  8. 気持ちを問う記述では、場面をなぞるだけでは0点。「〜という気持ち。」「〜こと。」「〜ため。」と、設問で指定された形で結ぶこと。
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