【注意事項】
- 問題は「一」から「四」(P.1〜P.5)までです。全7ページです。
- 大問四は、教科書『国語2』(光村図書)の「扇の的」を開いて解答しなさい。
- 解答は、解答用紙(P.6〜P.7)の適切な欄に、ていねいに楷書で書きましょう。
- 句読点などの符号も一字と数えます。
知識・技能 (50点)
一
次の──線部について、①〜⑩は漢字の読みをひらがなに直し、⑪〜⑳はひらがなを漢字に直して書きなさい。ただし、⑤・⑧・⑨・⑬・⑱・⑳は送りがなが必要なので、必ず送りがなまで書くこと。
1点×20=20点
①扇を広げる。
②物語の冒頭。
③無常を感じる。
④兜をかぶる。
⑤的を射る。
⑥戦いの勝敗が決まる。
⑦新しい幕府を開く。
⑧勢いが衰える。
⑨神仏に祈る。
⑩弓の名手として知られる。
⑪大ぐんぜいを率いる。
⑫げんぺいの合戦。
⑬いさましい声があがる。
⑭かんたんの声をあげる。
⑮きんちょうが高まる。
⑯こぶねをこぎ寄せる。
⑰ゆみやを手に取る。
⑱場がしずまる。
⑲ぶしの意地。
⑳弓の腕をほこる。
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二
歴史的仮名遣いと古語の意味について、次の問いに答えなさい。
2点×9=18点
(1)〜(6) 次の歴史的仮名遣いで書かれた語を、現代仮名遣い(すべてひらがな)に直して書きなさい。
(1)いふ
(2)つがひ
(3)ひやうど
(4)をめく
(5)けふ
(6)たまへ
(7)〜(9) 次の古語の意味としてあてはまるものを、後からそれぞれ一つ選び、記号で答えなさい。
ア みごとだ。りっぱだ。 イ ねらいをはずさず。あやまちなく。
ウ しばらくの間。少しの間。 エ ひどく苦しい。つらい。
オ 大あわてで。うろたえて。 カ おそろしい。ぶきみだ。
三
古典の基礎知識について、次の問いに答えなさい。
2点×6=12点
(1)『平家物語』が成立した時代を、次から一つ選び、記号で答えなさい。
ア 奈良時代 イ 平安時代 ウ 鎌倉時代 エ 室町時代
(2)『平家物語』のように、合戦や武将の活躍をえがいた物語のジャンル(種類)を、漢字四字で書きなさい。
(3)『平家物語』は、ある弦楽器を弾きながら語り歩いた盲目の芸能者によって語り伝えられた。この人々を何というか。漢字四字で書きなさい。
(4)次の冒頭の一節の「ただ春の夜の夢のごとし」「風の前の塵に同じ」に用いられている表現技法を、後から一つ選び、記号で答えなさい。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
(5)上の冒頭の一節では、「祇園精舎の鐘の声—諸行無常の響きあり」と「沙羅双樹の花の色—盛者必衰の理をあらはす」のように、組み立ての似た二つの句を並べて示す表現技法が用いられている。この技法の名を、漢字二字で書きなさい。
(6)「扇の的」の場面は、平家と源氏の戦いのうち、どの戦いの一場面か。次から一つ選び、記号で答えなさい。
ア 一の谷の戦い イ 屋島の戦い ウ 壇ノ浦の戦い エ 富士川の戦い
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思考・判断・表現 (50点)
四
教科書の「扇の的—『平家物語』から」を読んで、後の問いに答えなさい。次の【原文】も参考にしてよい。
50点
【原文・巻十一「那須与一」より(一部)】
ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、をりふし北風激しくて、磯打つ波も高かりけり。舟は、揺り上げ揺り据ゑ漂へば、扇も串に定まらずひらめいたり。沖には平家、舟を一面に並べて見物す。陸には源氏、くつばみを並べてこれを見る。いづれもいづれも晴れならずといふことぞなき。
与一目をふさいで、「南無八幡大菩薩、我が国の神明、日光の権現、宇都宮、那須の湯泉大明神、願はくは、あの扇の真ん中射させてたばせたまへ。これを射損ずるものならば、弓切り折り自害して、人に二度面を向かふべからず。いま一度本国へ迎へんとおぼしめさば、この矢はづさせたまふな。」と心のうちに祈念して、目を見開いたれば、風も少し吹き弱り、扇も射よげにこそなりにけれ。
与一、かぶらを取つてつがひ、よつぴいてひやうど放つ。小兵といふぢやう、十二束三伏、弓は強し、浦響くほど長鳴りして、あやまたず扇の串際一寸ばかりおいて、ひいふつとぞ射切つたる。かぶらは海へ入りければ、扇は空へぞ上がりける。しばしは虚空にひらめきけるが、春風に一もみ二もみもまれて、海へさつとぞ散つたりける。夕日の輝いたるに、皆紅の扇の日出だしたるが、白波の上に漂ひ、浮きぬ沈みぬ揺られければ、沖には平家、船端をたたいて感じたり、陸には源氏、えびらをたたいてどよめきけり。
あまりのおもしろさに、感に堪へざりけるにや、舟のうちより、年五十ばかりなる男の、黒革をどしの鎧着たるが、白柄の長刀持つたるが、扇立てたりける所に立つて舞ひしめたり。伊勢三郎義盛、与一が後ろへ歩ませ寄つて、「御定ぞ、仕れ。」と言ひければ、今度は中差取つてうちくはせ、よつぴいて、しや頸の骨をひやうふつと射て、舟底へ逆さまに射倒す。平家の方には音もせず、源氏の方には又えびらをたたいてどよめきけり。「あ、射たり。」と言ふ人もあり、また、「情けなし。」と言ふ者もあり。
(1)平家が小さな舟をこぎ寄せ、さおの先に扇を立てて源氏に差し出したのは、どのような意図からだと考えられるか。あてはまるものを次から一つ選び、記号で答えなさい。4点
ア 源氏に和解を申し入れ、戦いをやめようとしたため。
イ 源氏に向かって弓の腕を試すように挑みかけ、その勢いをくじこうとしたため。
ウ 風向きを調べて、船の進む方向を決めようとしたため。
エ 扇を贈り物として差し出し、源氏の機嫌をとろうとしたため。
(2)扇を射ることになった与一は、はじめ辞退しようとした。それはなぜだと考えられるか。「〜ため。」の形で、二十五字以上三十五字以内で書きなさい。5点
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四(つづき)
※ 【原文・巻十一「那須与一」より(一部)】は、P.3に掲載しています。必要に応じて見返しなさい。
(3)それでも与一がこの役を引き受けたのはなぜか。あてはまるものを次から一つ選び、記号で答えなさい。4点
ア 弓の名人として、自分なら必ず当てられるという自信があったから。
イ 平家に親族を討たれたうらみを晴らしたかったから。
ウ 大将である源義経から名指しで命じられ、主君の命令を断ることはできなかったから。
エ 成功すれば多くの褒美がもらえると期待したから。
(4)与一が「南無八幡大菩薩……」と神仏に祈ったのは、どのような心情からだと考えられるか。あてはまるものを次から一つ選び、記号で答えなさい。4点
ア 戦いが早く終わってほしいと願う、平和を求める心情。
イ 自分の技だけでは当てられるかわからず、神仏に頼らずにはいられないほど張りつめた心情。
ウ 神仏の力を借りれば、どんな願いもかなうと信じきっている心情。
エ むずかしい役を押しつけた周囲の人々を、心の中でうらむ心情。
(5)与一が祈りの中で「これを射損ずるものならば、弓切り折り自害して……」と述べていることから、彼が何をどれほど重いものと考えていたことがわかるか。「〜こと。」の形で、二十五字以上三十五字以内で書きなさい。5点
(6)「よつぴいてひやうど放つ」「ひいふつとぞ射切つたる」のような表現が用いられていることの効果として、最もふさわしいものを次から一つ選び、記号で答えなさい。4点
ア 音や動きをまねた言葉によって、矢を放つ瞬間の張りつめた気分と勢いを生き生きと伝える効果。
イ 作者の感想や意見をくわしく説明し、読み手を納得させる効果。
ウ 時間の流れをゆっくりと感じさせ、落ち着いた気分にさせる効果。
エ 登場人物の身分の高さや家がらのりっぱさを示す効果。
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四(つづき)
※ 【原文・巻十一「那須与一」より(一部)】は、P.3に掲載しています。必要に応じて見返しなさい。
(7)原文には「沖には平家/舟を一面に/並べて見物す」のように、音数をそろえた心地よい調子が多く見られる。このような調子を何というか。漢字三字で書きなさい。2点
(8)扇が射落とされたあと、「沖には平家、船端をたたいて感じたり、陸には源氏、えびらをたたいてどよめきけり」とある。この描写は何を表しているか。「〜こと。」の形で、三十字以上四十字以内で書きなさい。5点
(9)舞を舞った男を射倒したあと、「平家の方には音もせず、源氏の方には又えびらをたたいてどよめきけり」とある。この対比が表していることとして、最もふさわしいものを次から一つ選び、記号で答えなさい。4点
ア 平家が舞をやめたことを、源氏が喜んでいるということ。
イ 同じ出来事に対して、喜ぶ側と声も出ない側が分かれ、源氏と平家の明暗がくっきりと表れているということ。
ウ 平家が降伏を決意し、源氏がそれを受け入れたということ。
エ 与一の腕前が前よりも落ちてしまったということ。
(10)「あ、射たり。」と言う人もあり、また、「情けなし。」と言う者もあり——この描写から、源氏方の人々のどのような受け止め方が読み取れるか。「〜こと。」の形で、二十五字以上三十五字以内で書きなさい。4点
(11)『平家物語』は、独特の文体で書かれている。この文体を何というか。漢字五字で書きなさい。2点
(12)「扇の的」の場面は、『平家物語』全体を貫く仏教にもとづく考え方とどのようにつながっているか。四十字以上五十字以内で書きなさい。7点
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四 「扇の的 —『平家物語』 から」の読解 (50点) |
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※ 記述問題は、解答欄におさまるように、ていねいな字で書きなさい。句読点も一字と数えます。字数は、(2)(5)(10)は25〜35字、(8)は30〜40字、(12)は40〜50字です。
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