中学2年 第5回 社会 模範解答と解説
満点 100点(知識・技能60点/思考・判断・表現40点)
配点一覧 知技1(2×10=20)/知技2(2×10=20)/知技3(2×10=20)=60点
考1(2×7=14)/考2(2×7=14)/考3(2×6=12)=40点  総小問数 50問(全問 記号選択・各2点)
知技1明治維新2点×10=20点
(1)イ天皇が神に誓う形で示したのが五箇条の御誓文。アの大日本帝国憲法は1889年、ウの王政復古の大号令は1867年で幕府の廃止を宣言したもの、エの教育勅語は1890年の教育の方針で、いずれも内容と年が異なる。
(2)ウ大名が土地(版)と人民(籍)を返したのが版籍奉還。アの廃藩置県は1871年でその次の段階。イの地租改正は1873年の税制改革、エの殖産興業は産業育成の政策で内容が異なる。
(3)ア藩を廃して府県を置いたのが廃藩置県。イの版籍奉還は1869年で、大名がそのまま知藩事として残った点が異なる。ウの王政復古は1867年、エの四民平等は身分制度の改革である。
(4)エ1872年の学制で6歳以上の男女の就学が定められた。アの教育勅語は1890年、ウの教育基本法は1947年で年が異なる。イの徴兵令は1873年の兵役の法令で内容が違う。
(5)ウ1873年の徴兵令で満20歳以上の男子に兵役の義務が課された。アの学制は1872年の教育の法令、イの地租改正は同じ1873年だが税制の改革、エの廃刀令は1876年に帯刀を禁じたものである。
(6)イ欧米の文化が入り生活が変化したことが文明開化。アの殖産興業は産業育成、ウの富国強兵は国を豊かにし軍を強める方針で、どちらも生活様式の変化そのものを指さない。エの大政奉還は1867年のできごと。
(7)イ『学問のすゝめ』の著者は福沢諭吉。アの中江兆民はルソーの思想を紹介し「東洋のルソー」とよばれた人物。ウの内村鑑三とエの新渡戸稲造はいずれもキリスト教思想家で、著書が異なる。
(8)ウ経済を発展させ強い軍隊をもつ方針が富国強兵。イの殖産興業はそれを実現するための産業育成の手段で範囲がせまい。アの文明開化は生活の変化、エの尊王攘夷は幕末の思想である。
(9)イ群馬県の官営の生糸工場が富岡製糸場。アの八幡製鉄所は1901年の福岡県の製鉄所。ウの大阪紡績会社は民間の紡績会社、エの長崎造船所は造船業で、いずれも生糸の官営模範工場ではない。
(10)ウ身分制度が改められ国民が平等とされたのが四民平等。アの兵農分離とイの士農工商は江戸時代の身分のしくみで逆の内容。エの公地公民は律令国家の土地制度である。
知技2自由民権運動・立憲政治と条約改正2点×10=20点
(1)イ民撰議院設立の建白書を提出したのは板垣退助。アの大隈重信は1882年に立憲改進党を結成した人物。ウの伊藤博文は政府側で憲法制定にあたった人物、エの西郷隆盛は西南戦争を起こした人物である。
(2)ア板垣退助が1881年に結成したのが自由党で、フランス流の急進的な民権論を掲げた。イの立憲改進党は大隈重信の政党。ウの立憲政友会は1900年、エの国民党はさらに後の政党である。
(3)ウ大隈重信が1882年に結成したのが立憲改進党で、イギリス流の議会政治をめざした。アの自由党は板垣退助の政党。イの立憲政友会は1900年に伊藤博文が結成、エの国民党は後の政党である。
(4)ウ1885年に内閣制度をつくり初代総理大臣となったのは伊藤博文。アの板垣退助とイの大隈重信は民権運動側で、のちに大隈は総理大臣になるが初代ではない。エの大久保利通は1878年に暗殺されている。
(5)エ天皇が国民に与える形(欽定憲法)で発布されたのが大日本帝国憲法。アの五箇条の御誓文は1868年の方針、イの日本国憲法は1946年公布で国民主権、ウの教育勅語は憲法ではない。
(6)ウ衆議院と貴族院からなるのが帝国議会。アの国会は現在の名称。イの枢密院は天皇の諮問機関、エの元老院は1875年に設けられた立法の諮問機関で、いずれも二院制の議会ではない。
(7)イ1894年に領事裁判権の撤廃に成功したのは陸奥宗光。アの小村寿太郎は1911年の関税自主権回復を実現した人物で年が違う。ウの岩倉具視は使節団の全権、エの井上馨は鹿鳴館外交に失敗した人物である。
(8)ア日清戦争の講和条約が下関条約(1895年)。イのポーツマス条約は日露戦争の講和条約(1905年)。ウの南京条約は1842年のアヘン戦争後、エの日米和親条約は1854年の開国の条約である。
(9)エロシア・フランス・ドイツが遼東半島の返還を求めたのが三国干渉。アの三国協商とイの三国同盟は第一次世界大戦前のヨーロッパの同盟関係。ウの日英同盟は1902年に日本とイギリスが結んだ同盟である。
(10)ウ1911年に関税自主権を完全回復したのは小村寿太郎。アの陸奥宗光は1894年の領事裁判権撤廃で、担当した内容と年が異なる。イの伊藤博文は1909年に暗殺されている。エの井上馨は改正に失敗した。
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知技3中部地方と近代の文化2点×10=20点
(1)イ飛驒・木曽・赤石の3山脈をまとめて日本アルプス。アの奥羽山脈は東北地方、ウの中国山地は中国地方、エの筑紫山地は九州地方にあり、いずれも中部地方ではない。
(2)ウ愛知県から三重県北部・岐阜県南部にかけて広がるのが中京工業地帯。アの阪神工業地帯は大阪湾沿岸、イの京浜工業地帯は東京湾沿岸、エの北陸工業地域は日本海側で、いずれも愛知県が中心ではない。
(3)イ出荷時期を遅らせるのが抑制栽培。アの促成栽培は逆に早める方法で、高知や宮崎で行われる。ウの近郊農業は大都市周辺での農業、エの二毛作は同じ耕地で年2回別の作物をつくることである。
(4)ウ静岡県の牧ノ原台地は茶の大産地。アのみかんも静岡県で生産されるが牧ノ原台地の代表作物ではない。イのぶどうは山梨県、エのりんごは青森県や長野県が中心である。
(5)イ1年に米だけをつくるのが水田単作で、冬に雪の多い北陸の特徴。アの二毛作は年2回別の作物をつくるので逆。ウの混合農業はヨーロッパの農業、エの酪農は乳牛を飼う農業である。
(6)エ温室やビニールハウスを使うのが施設園芸農業。アの近郊農業は大都市に近い立地を生かす農業で施設の有無は問わない。イの焼畑農業は熱帯地域の農業、ウの遠洋漁業は水産業である。
(7)イ『吾輩は猫である』『坊っちゃん』は夏目漱石。アの森鷗外は『舞姫』、ウの樋口一葉は『たけくらべ』、エの島崎藤村は『破戒』の作者で、それぞれ代表作が異なる。
(8)ウ軍医として働きながら『舞姫』を書いたのは森鷗外。アの夏目漱石は英文学者で軍医ではない。イの石川啄木は歌人、エの正岡子規は俳人・歌人で小説家ではない。
(9)ウ「柿くへば…」の作者は正岡子規。アの与謝野晶子は『みだれ髪』や日露戦争の反戦詩、イの石川啄木は『一握の砂』の歌人、エの樋口一葉は小説家で、いずれも俳句の革新者ではない。
(10)エ破傷風の血清療法を発見したのは北里柴三郎。アの野口英世は黄熱病の研究、イの志賀潔は赤痢菌の発見、ウの鈴木梅太郎はビタミンB1の発見で、それぞれ業績が異なる。
思考・判断・表現(40点)の解答・解説
考1産業別就業者の割合と製造品出荷額2点×7=14点
(1)ウ製造品出荷額478,946億円は5つの中で突出して多く、中京工業地帯をもつ愛知県。オも第2次産業の割合は高いが出荷額は39,411億円にとどまる。
(2)イ第1次産業が0.4%と極端に低く、第3次産業が84.2%と最も高いので東京都。エも第3次産業が81.1%と高いが、第1次産業が4.0%あり東京都としては高すぎる。
(3)ア第1次産業が11.7%と5つの中でとびぬけて高く、りんごや漁業がさかんな青森県。他の4つはいずれも4.0%以下である。
(4)ウ東京都には企業の本社が集中し、商業・金融・情報などのサービス業に就く人が多い。アの重化学工業の中心は愛知県。イの稲作中心は東京都に当てはまらない。エの鉱産資源の採掘は東京都では行われていない。
(5)イ沖縄県は温暖な気候を生かした観光業と、それに関連する宿泊・飲食業がさかんで、製造品出荷額は4,599億円と5つの中で最も少ない。アの重化学工業は発達していない。ウの稲作中心でもなく、エの鉱産資源の採掘もさかんではない。
(6)ウ中京工業地帯は自動車を中心とする機械工業が出荷額の約7割を占める。アの金属工業は阪神工業地帯で比較的高い。イの化学工業は京葉工業地域、エの食料品工業は北海道などで割合が高い。
(7)エアの第1次産業11.7%は5つの中で最も高いので、選択肢エが正しい。選択肢アはウの製造品出荷額478,946億円が5つの中で最も多いので誤り。選択肢イはイの第2次産業15.4%に対しオが33.7%で最も高いので誤り。選択肢ウはオの第3次産業63.7%に対しイが84.2%で最も高いので誤り。
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考2地租改正(資料の読み取り)2点×7=14点
(1)ア課税の基準となったのは土地の値段である地価。イの収穫高は資料に「収穫高ではなく」と明記されている。ウの石高は江戸時代の基準、エの地租は税そのものの名で基準ではない。
(2)イ税は米ではなく現金で納めさせた。アの米は資料に「米などの作物ではなく」とあるので誤り。ウの労役やエの生糸で納めるしくみは定められていない。
(3)ウ地価を基準に現金で徴収することで、豊作・凶作に左右されない一定の税収を確保するのが目的。アは負担はむしろ江戸時代と同程度に据え置かれた。イは大名の領地はすでに廃藩置県で消滅。エは貿易とは直接関係がない。
(4)イ負担が重く各地で地租改正反対一揆が起こったため、政府が譲歩して2.5%に引き下げた。アは当時の財政は苦しかった。ウは米価の上昇は政府にとって不利ではない。エの外国からの要求という事実はない。
(5)エ資料に「耕作者ではなく土地の所有者とする」とあるのでエ。アの小作人は耕作者であり納税者ではない。イの村全体はそれまでの村請制のしくみ、ウの各藩は廃藩置県ですでに存在しない。
(6)イ資料に「税率は(X)の3%とする」とあるのでイが正しい。アは「その年の収穫高ではなく」とあるので誤り。ウは「米などの作物ではなく」とあるので誤り。エは3%であって30%ではないので誤り。
(7)ア税は地価を基準に決まった額を納めるため、凶作の年でも減らしてもらえず、農民には重い負担となった(各地で反対一揆が起こった)。イの土地所有は認められ、地券が発行された。ウのような移住の強制はない。エの税率は引き上げではなく、のちに引き下げられた。
考3雨温図の読み取り2点×6=12点
(1)イイは12月・1月の降水量が一年で最も多く、年降水量2401mmと多い日本海側の特徴を示すので金沢市。アは9月と6月が多い太平洋側型、ウは年降水量1038mmと少ない内陸型である。
(2)ウウは年降水量1038mmと最も少なく、年平均気温12.0℃と最も低いので内陸の松本市。アとイはどちらも年降水量が2300mmを超えており、内陸の少雨の特徴に合わない。
(3)アアは年平均気温16.8℃と最も高く、6月と9月(梅雨と台風)に降水量の山があるので太平洋側の静岡市。イは冬に降水の山があり、ウは年間を通して降水量が少ない。
(4)エ中央高地(内陸)の都市は標高が高く、周りを山に囲まれて海から遠いため夏と冬の気温差が大きく、年降水量も少ない。アは標高が高く気温も低いので誤り。イは冬に降水量が多いのは日本海側の特色。ウは内陸では気温差が大きいので誤り。
(5)ウ冬の北西の季節風が日本海で水蒸気をふくみ、山地にぶつかって大雪を降らせる。アは夏の太平洋側の降水の説明なので誤り。イは台風は夏から秋に来るので誤り。エの梅雨前線は6〜7月のものである。
(6)イウの1038mmはアの2390mmの半分(1195mm)より少ないので、選択肢イが正しい。選択肢アは2401−2390=11mmで500mm以上ないので誤り。選択肢ウは年平均気温が最も高いのはアの16.8℃なので誤り。選択肢エはイの7月は約233mm、12月は約301mmで12月のほうが多いため誤り。
合 計 100点(50問×2点)
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落としやすいポイント
① 版籍奉還と廃藩置県…版籍奉還(1869年)は土地と人民を返しただけで大名はその地に残った。廃藩置県(1871年)で藩そのものを廃止し、中央から府知事・県令を派遣した。「どちらが先か」「中央集権が完成したのはどちらか」で区別する。
② 学制・徴兵令・地租改正…明治の三大改革。学制=1872年・教育、徴兵令=1873年・兵役(満20歳以上の男子)、地租改正=1873年・税制(地価の3%を現金で)。年と分野をセットで覚える。
③ 陸奥宗光と小村寿太郎…陸奥宗光=1894年・イギリス・領事裁判権の撤廃、小村寿太郎=1911年・アメリカ・関税自主権の回復。人物・年・内容の3点セットで入れかえ問題に備える。
④ 下関条約とポーツマス条約…下関=日清戦争(1895年)・遼東半島・台湾・賠償金あり。ポーツマス=日露戦争(1905年)・樺太南半分・賠償金なし(これが暴動の原因)。
⑤ 促成栽培と抑制栽培…促成=早める(高知・宮崎)、抑制=遅らせる(長野・群馬の高原)。中部地方では長野の抑制栽培が出る。
⑥ 雨温図の見分け方…まず年降水量を見る。2000mm超で冬に山なら日本海側、夏に山なら太平洋側、1000mm前後で気温差が大きければ中央高地。グラフの形だけでなく下に書かれた年平均気温と年降水量の数字を必ず使うこと。
⑦ 産業別就業者の表の読み方…第1次産業の割合が高い=農林水産業の県(青森)、第3次産業が極端に高く第1次が1%未満=大都市(東京)、製造品出荷額が突出=工業県(愛知)。割合と出荷額の両方を見ないと東京と沖縄を取り違える。
⑧ 地租改正の「政府にとっての利点」…地価は毎年変わらないので、豊作でも凶作でも米価が上下しても税収が一定になる。これが最大のねらいである。
解答一覧(採点用)
知技1 (1)イ (2)ウ (3)ア (4)エ (5)ウ (6)イ (7)イ (8)ウ (9)イ (10)ウ
知技2 (1)イ (2)ア (3)ウ (4)ウ (5)エ (6)ウ (7)イ (8)ア (9)エ (10)ウ
知技3 (1)イ (2)ウ (3)イ (4)ウ (5)イ (6)エ (7)イ (8)ウ (9)ウ (10)エ
考1 (1)ウ (2)イ (3)ア (4)ウ (5)イ (6)ウ (7)エ
考2 (1)ア (2)イ (3)ウ (4)イ (5)エ (6)イ (7)ア
考3 (1)イ (2)ウ (3)ア (4)エ (5)ウ (6)イ
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