教材別テスト①「世界はうつくしいと」 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学3年 国語 / 長田弘・光村図書『国語3』
【このテストの使い方】 この詩は著作権が存続している現代詩のため、問題用紙には本文を一行も載せていません。必ず教科書『国語3』の「世界はうつくしいと」のページを開いたまま解答させてください。設問も、語句を特定させるのではなく「〜という内容が述べられている部分」という内容レベルの指示でそろえています。そのため抜き出し問題はありません。選択式で読みの筋道を確認し、記述で言葉にさせる構成です。大問三の例文A〜Eは、この詩の本文ではなく学習用に作成した自作例文です。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問。読み10・書き10)1点×20=20点
二語句の知識(慣用句・類義語・対義語・四字熟語・語彙)2点×7=14点
三詩の表現技法とその効果(反復・倒置・体言止め・擬人法・列挙)2点×4+4点×2=16点
思考・判断・表現
50点
四「世界はうつくしいと」の読解・表現50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 口語自由詩の形式と、連・行分け・平仮名表記といった「書き方の選択」そのものに意味があることを理解しているか。
② 題名が「〜と」という言いさしで終わる形のはたらき(続く言葉を読者に委ねる)に気づけるか。
③ 列挙という組み立ての効果を、「数が多い」ではなく「世界に満ちている」という意味づけで説明できるか。
④ 作者が特別なものではなくごく小さく名もないものに美を見いだしていることを読み取れるか。
⑤ 「新しく美を探す」のではなく「すでにあるものに気づく」という促しとして主題をとらえられるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①なが(める)⑪景色
②せんさい⑫茂る
③めぶ(く)⑬澄む
④ゆ(れる)⑭栽培
⑤そぼく⑮群れ
⑥せんめい⑯穏やかな
⑦しきさい⑰追求
⑧うるお(う)⑱光景
⑨よいん⑲感覚
⑩ろうどく⑳営み
小計 20点
【注意したい字】 ①「眺める」は目へん+兆。「のぞめる(望める)」と読みちがえる誤りに注意。②「繊細」の「繊」は糸へん。「織」「職」と混同しやすい。③「芽吹く」は「がぶく」ではない。⑧「潤う」は「うるおう」。「うるむ」は「潤む」で別の読み。⑨「余韻」の「韻」は音+員。⑫「茂る」、⑬「澄む」、⑯「穏やかな」、⑳「営み」は送りがなまで必要。⑰「追求」は「追い求める」意。「追究(明らかにする)」「追及(責めて問いつめる)」との書き分けが最頻出。⑳「営み」は「営なみ」と送らない。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)イ「目を見張る」=おどろき・感心して目を大きく開く。よい意味で使うことが多い。ア「にらみつける」は「目をつり上げる」。
(2)ア「胸を打つ」=強く感動させる。「胸を打たれる」の形でも使う。イは「胸がつまる」、エは「気を引きしめる」。
(3)永久永遠=永久。「久遠」も可とするが、中学では「永久」で統一。「永延」は誤字。
(4)非凡平凡 ⇔ 非凡。「非」+「凡」で「ふつうではない」。「特別」など二字の熟語でも意味は通るが、ここでは漢字二字の対義語として「非凡」を正答とする。
(5)風月「花鳥風月」=花・鳥・風・月。自然の美しい景色、またそれを題材にした風雅な遊び。この詩の「身近な自然に美を見る」姿勢と重ねて覚えたい。
(6)イ「一期一会」=一生に一度の出会いだと思い、その時を大切にすること。もと茶道の心得。
(7)イ「ありふれた」=ごく普通でどこにでもある。ウの「あふれる」と語形が似ているため混同しやすい。この詩の読解の鍵になる語。
小計 14点
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三 詩の表現技法とその効果 (16点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
2点
反復(くり返し)例文A「遠く、遠く、遠く…」。同じ語句を重ねる技法。「対句」は組み立ての似た二つの句を並べる別の技法なので×。
(2)
2点
倒置(倒置法)例文Bは、ふつうなら「あの夕暮れの海は、とても静かだった。」の順。主語と述語の順を入れかえ、言いたいことを前に出している。
(3)
2点
体言止め例文Cは「光」という体言(名詞)で行を終えている。「名詞止め」も可。「省略法」は×。
(4)
2点
擬人法例文Dは「風」が「肩をたたく」=人でないものを人の動作で表している。「ようだ」「みたいだ」がないので直喩ではない点を確認させたい。
(5)
4点
(例)同じ言葉をくり返して、意味や感動を強く印象づける。(25字)「くり返す」という技法の説明(2点)+「強調する・印象づける・リズムが生まれる」という効果(2点)。「読みやすくなる」だけは0点。二十〜三十字から外れたら−1点。
(6)
4点
技法名…列挙(列叙)
(例)数え上げることで、広がりや豊かさを感じさせる。(23字)
技法名「列挙」(2点。「並列」も可、「反復」は×)+効果(2点)。効果は「数えきれないほど多い/全体に満ちている/広がり・豊かさ」のいずれかが書けていれば可。「物の名前を並べている」という説明のくり返しだけでは効果になっていないので0点。二十〜三十字から外れたら−1点。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【詩の表現技法を見分けるコツ】 ① 語順がふつうと逆→倒置。② 同じ語句が重なる→反復。③ 名詞で終わる→体言止め。④ 人でないものが人のようにふるまう→擬人法。⑤ 「ようだ・みたいだ・ごとし」あり→直喩、なしで言いきる→隠喩。⑥ 名前を次々並べる→列挙。
効果を書く設問では、必ず「〜なので、〜という感じを与える」の形まで書ききること。技法名を言いかえただけの答えは点にならない。
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四 「世界はうつくしいと」の読解・表現 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
3点
エ話し言葉に近い現代の言葉(口語)で書かれ、音数や行数の決まりがない(自由詩)ので「口語自由詩」。文語=古い言葉づかい。定型詩=五音・七音などの決まりがある詩。
(2)
4点
イ「〜と」は「〜と言おう」「〜と思う」などに続くはずの引用の助詞。そこで止めることで、続く言葉が読者一人一人にゆだねられ、余韻が生まれる。ア・ウ・エのような「未完成」「混乱」ととらえる読みは誤り。
(3)
5点
(例)美しいものを素直に美しいと口に出して認め合いたいという気持ち。(31字)「美しいと感じたことを言葉にする/口に出す」(3点)+「素直に・ためらわずに・分かち合いたい」といった前向きな願い(2点)。
「美しいものを見つけたい」だけでは言葉にするという中心が落ちるので2点。文末が「〜という気持ち。」になっていないものは−1点。二十五〜四十字から外れたら−1点。
(4)
3点
ウこの詩が数え上げるのは、名所や美術品ではなく、ふだん見過ごしているほど身近で小さなもの。ア・イ・エのような「特別なもの」を選ぶ誤りが最も多い。
(5)
4点
イ列挙の効果は「数の多さ」ではなく「世界に美しいものが満ちている」という実感を生むこと。ア「作者の知識の広さ」、エ「順位をつけて比べる」は、この詩の姿勢と正反対。
(6)
4点
ウかすかなもの・名のないものを挙げるのは、美しさに大小や優劣をつけないという態度の表れ。ア(順位づけ)、イ(なげき)、エ(ほこり)はいずれも、この詩のおだやかで等しいまなざしに合わない。
(7)
4点
イ平仮名表記は意図的な選択。漢字の「美しい」がもつ重さ・かたさをやわらげ、やわらかく、ひらかれた、だれにでも届く言い方になる。ア「子どもにも読めるように」は表現の効果の説明になっていない。
(8)
3点
ア・ウ・エイ…音数の決まりはないので×((1)の自由詩と対応)。オ…句読点も用いられ、一文でもないので×。
ア・ウ・エの三つそろって3点(完答)。一つでも欠けたり、余分に選んだりしたら0点。
(9)
4点
ウ「工夫」と「理由」が両方ともこの詩に合っているのはウだけ。列挙は一つずつ間をとることで一つ一つを味わわせ、呼びかけはやわらかく読むことで語りかけの調子が生きる。ア(速く)・エ(同じ調子)は列挙を単なる羅列にしてしまう。
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四 「世界はうつくしいと」の読解・表現 (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(10)
5点
(例)新しい美を探すのではなく、すでに身の回りにある美に気づくということ。(34字)「すでにある/身近にある」(2点)+「気づく・目を向ける・心をとめる」(3点)で採点。
「探す」「見つけに行く」としたものは、設問の否定部分と重なるので0点。文末が「〜ということ。」でないものは−1点。二十五〜四十字から外れたら−1点。
(11)
5点
(例)ありふれた小さなものにこそ美しさがあり、それに気づき言葉にしようという主題。(38字)「小さく身近なもの・ありふれたものに美がある」(3点)+「気づく/言葉にする/世界は美しいと言おうとする」(2点)。
「自然は美しい」だけの一般論は1点。詩の内容を数え上げただけのものは0点。二十五〜四十字から外れたら−1点。
(12)
6点
【ルーブリックで採点】
(例)朝、台所で湯が沸く音を挙げたい。毎日くり返されて誰も気にとめないが、その音を聞くと今日も生活が始まると感じられ、小さな幸せがあると思うからだ。(70字)
6点(満点)の条件…①挙げるものが具体物・具体的な場面で書かれている。②それが身近でありふれたものであり、この詩のまなざしに沿っている。③理由が、なぜ自分には美しく感じられるのかという形で書かれている。④自分の言葉で書かれ、詩の語句の引用・模倣がない。⑤六十〜八十字におさまっている。
4点…①〜④のうち一つが弱い(例=理由が「きれいだから」程度)。
2点…挙げるものは書けているが理由がない、または理由が挙げたものと結びついていない。
0点…無記入/詩の語句をそのまま写しただけ/名所・美術品など「特別なもの」を挙げて詩の趣旨から外れているもの。
※字数が範囲外の場合は、上の点数から−1点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. 題名の「〜と」は言い残しではなく意図的な言いさし。続きは読者がそれぞれ思いうかべる。最大のポイント。
  2. この詩が挙げるのは名所・絶景ではない。「ごく小さく、名もない、ありふれたもの」。ここを取りちがえると全問くずれる。
  3. 列挙の効果を「数が多い」で止めない。「世界が美しいもので満ちている」という実感まで書く。
  4. 「うつくしい」の平仮名表記は表記ミスではなく表現の工夫。やわらかさ・ひらかれた感じを生む。
  5. 作者は「美を探せ」ではなく「すでにあるものに気づけ」と促している。ここが主題の核。
  6. 口語自由詩。音数の決まりはない。「七五調」「定型」と答える誤りが多い。
  7. 行分け・連分けにも意味がある。行を切ることで一語ずつ立ち止まって味わわせている。
  8. この詩は著作権が存続しているため、テストでは本文を引用せず、必ず教科書を開いて解く。抜き出し問題は出ないので、内容を自分の言葉でまとめる練習が得点に直結する。
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