中学3年 国語科 教材別テスト②「握手」 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学3年 国語
【このテストの使い方】 本文は載せていません。教科書『国語3』(光村図書)の「握手」のページを開いたまま解答します。この作品は、語り手「わたし」が、少年時代に世話になったルロイ修道士と大人になって再会する話で、現在の場面と少年時代の回想が交互に織り合わされる構成をとっています。人物の行動や小さな動作(指言葉・握手)から気持ちを読み取る練習に向いた教材なので、記述問題を多めにしています。抜き出し問題は置かず、自分の言葉でまとめる力を見る形にしました。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問/①〜⑩読み・⑪〜⑳書き)1点×20=20点
二語句の知識(慣用句・類義語・対義語・四字熟語・語彙)2点×7=14点
三敬語の総復習(尊敬語・謙譲語・丁寧語/二重敬語・身内敬語の訂正)2点×8=16点
思考・判断・表現
50点
四「握手」の読解(12小問)50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 敬語の三分類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)を区別し、二重敬語・身内敬語・「お〜になる/お〜する」の取りちがえを自分で直せるか。
② 現在と回想という二つの時間が交錯する構成とその効果に気づけるか。
③ ルロイ修道士の指(奇形)・指言葉・握手といった、体や動作に表れたものから意味を読み取れるか。
④ 「困難は分割せよ」などの印象的な言葉を、自分の言葉で言いかえられるか。
⑤ 食事に手をつけないという伏線から結末(余命・最後の別れ)へのつながりをとらえ、最後の指言葉の場面を説明できるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①あくしゅ⑪命
②しゅうどうし⑫後悔
③しせつ⑬順番
④きょうせい⑭入院
⑤つめ⑮回復
⑥ほほえ(む)⑯励ます
⑦こうさ⑰懐かしい
⑧たんねん⑱姿
⑨そうしき⑲珍しい
⑩やわ(らげる)⑳勇気
小計 20点
【注意したい字】 ②「修道士」は「しゅうどうし」。「しゅどうし」と伸ばさずに読む誤りが多い。④「強制」は「強勢」「強請」と書き分けること(ここでは読みだけ)。⑤「爪」は一字で「つめ」。⑥「微笑む」は「ほほえむ」で、送りがなは「む」だけ。「びしょう」と音読みしないこと。⑩「和らげる」は送りがな「らげる」まで必要。⑫「後悔」の「悔」は「りっしんべん」。⑬「順番」の「順」は「おおがい」。⑯「励ます」は送りがな「ます」が必要(「励」だけでは×)。⑰「懐かしい」は「懐」+「かしい」。「壊」「壞」と形が似ているので注意。⑲「珍しい」は「珍」+「しい」。⑳「勇気」の「勇」は「ゆう」の音で「男」と形が似ているので注意。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)イ「胸をなで下ろす」=心配事がなくなって安心する。「胸をなでる」動作から生まれた慣用句。ウ「悲しみをおさえる」は「胸にしまう」などで、意味が別。
(2)ウ「目を細める」=うれしさ・いとおしさから、やさしい表情になる。ア「遠くを見ようとする」は「目を凝らす」。この教材では、ルロイ修道士の表情を言い表すのに合う語。
(3)永久「永遠」=「永久」。「悠久」も類義語だが、設問が漢字二字なので「永久」が標準解。「永遠」と同じ字を含む「永世」も可とする。
(4)容易困難 ⇔ 容易。「簡単」「平易」も可。「安易」は「いいかげん」という悪い意味を含むので△。
(5)四「四苦八苦」=たいへん苦労すること。「困難は分割せよ」という言葉と重ねて覚えておきたい四字熟語。
(6)ア「不器用」=手先の仕事などが上手にできないこと。性格について「人づきあいが不器用」のようにも使う。ルロイ修道士の人物像を言い表すときの鍵になる語。
(7)イ「たしなめる」=相手のよくない点を、おだやかに注意する。ア「どなりつける」は「しかりつける」「どやす」であって、「たしなめる」ではない。強さの程度が区別のポイント。
小計 14点
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三 敬語の総復習 (2点×8=16点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)ア(尊敬語)「いらっしゃる」は「いる・行く・来る」の尊敬語。主語が「校長先生」=相手側(立てる相手)なので尊敬語。
(2)イ(謙譲語)「お借りする」は「お〜する」の形。主語が「わたし」=自分側の行為をへりくだって言う謙譲語。「お〜する」は必ず自分の行為に使う。
(3)ウ(丁寧語)「です・ます・ございます」は、聞き手に対して言い方をていねいにするだけの丁寧語。だれを高めるものでもない。
(4)おっしゃる「言う」の特別な尊敬語は「おっしゃる」。「言われる」「お話しになる」は形の上では尊敬語だが、設問が特別な動詞一語を求めているので不可。「申す」「申し上げる」は謙譲語なので0点。
(5)拝見する(拝見します)「見る」の謙譲語は「拝見する」。尊敬語は「ご覧になる」。「ご覧になる」と書いたら0点(相手の行為に使う語)。「拝見いたす」も可。
(6)お書きになった二重敬語の訂正。「お書きになる」+「〜れる」で敬語が二重になっている。「書かれた」でも可。「お書きになられた」のままは0点。
(7)出かけております(出かけています)身内に尊敬語を使った誤り。外の人(お客様)に対しては、自分の家族の行為はへりくだって言う。「おります」を使えていれば満点。「お出かけです」「出かけられています」は0点。
(8)お持ちします(お持ちいたします)かばんを持つのは自分(わたし)の行為。よって「お〜になる」(相手の行為)ではなく「お〜する」(自分の行為)を使う。「持たせていただきます」も可。「お持ちになります」のままは0点。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【敬語を見分ける三つの手順】 ① だれの行為かを確かめる。相手・話題の人物の行為なら尊敬語、自分や自分側(家族・同じ会社の人)の行為なら謙譲語。
② 「お〜になる」=相手/「お〜する」=自分。この一行を覚えれば(8)型の誤りは必ず防げる。
③ 敬語を二つ重ねない。「お書きになられる」「おっしゃられる」「お伺いさせていただく」はすべて二重敬語。
また、身内の行為に尊敬語は使わない(×「母がおっしゃいました」→○「母が申しました」)ことも、入試でくり返し問われる。
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四 「握手」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
ア・イ・ウエ…再会の場面で「わたし」がルロイ修道士を責め立てる場面はなく、むしろ感謝しているので×。オ…ルロイ修道士は食べ物にほとんど手をつけていないので×。ア・イ・ウの三つそろって4点(完答)。一つでも欠けたり、余分に書いたりしたら0点。
(2)
3点
イ現在(再会)と過去(光ヶ丘天使園での少年時代)が交互に差しこまれることで、二人が長い年月のあいだに築いた関係の深さが読者に伝わる。ア…時間順ではないので×。ウ…筋をわかりにくくするためではない。エ…未来の場面は先に示されていない。
(3)
4点
(例)戦争中に日本で、むりに重い労働をさせられたため。「戦争中(戦時中)」(2点)+「強制的に労働をさせられた」(2点)の二点で採点。「生まれつき」「病気で」は0点。「〜ため。」の形で書けていないものは−1点。「敵国人としてとらえられていた」といった説明が加わっていてもよい。
(4)
3点
イ人さし指をぴんと立てるのは、相手に注意をうながす合図。ルロイ修道士が子どもに大事なことを言おうとするときの動作。
(5)
3点
ウ指言葉は、言葉を使わず短い動作で気持ちや注意を伝える手段で、子どもたちとの間に親しみを生んでいた。ア…言葉を使わずに暮らさせる目的ではない。イ…指の形を隠す目的ではない。エ…きびしい上下関係をつくる目的ではない。(両手の人さし指を交差させる動作は「だめだ」という強い否定の合図で、(11)で問われる。)
(6)
4点
(例)子どものあやまちを責めず、笑って許す、心の広い人物。「責めない・許す・笑ってすませる」(2点)+「温かい・心が広い・子どもを信じている」(2点)の二点で採点。「〜人物。」の形でまとめること。「きびしい人物」「おこりっぽい人物」は0点。出来事をなぞっただけ(例「盗み食いを見つけた」)も0点。
(7)
5点
(例)大きな困難も、小さく分けて一つずつ片づけていけばよいということ。(32字)「大きな困難・難しいこと」(1点)+「小さく分ける」(2点)+「一つずつ(順に)片づける・そうすれば乗りこえられる」(2点)の三点で採点。
「困難をなくせ」「がまんせよ」といった方向ちがいは0点。二十五字以上三十五字以内から外れたら−1点(上の例は32字で範囲内)。
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四 「握手」の読解 (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(8)
4点
(例)大げさな謝罪をユーモアでやわらげ、過去を恨んではいないと伝えたいという気持ち。「冗談・ユーモアでやわらげる(相手に気をつかわせたくない)」(2点)+「過去を恨んでいない・個人を責めるつもりはない」(2点)の二点で採点。「〜という気持ち。」の形でないものは−1点。「相手をばかにする気持ち」「政治に不満な気持ち」は0点。
(9)
3点
(例)ルロイ修道士が重い病気で、余命がわずかであること。「病気である」(2点)+「死が近い・余命が短い」(1点)で採点。「〜こと。」の形で書くこと。「遠慮していること」「おなかがいっぱいなこと」は0点。伏線という語の意味(後の展開をあらかじめほのめかす表現)を確認させたい。
(10)
5点
(例)ルロイ修道士の体が病気で弱り、これが最後の別れになるということ。「体が弱っている・やせて力がない(病気が進んでいる)」(3点)+「これが最後の握手・別れになる」(2点)の二点で採点。
少年時代の握手が痛いほど力強かったことと対比されている点に気づけているかが分かれ目。「年をとったから」だけは1点。「〜こと。」の形でないものは−1点。
(11)
6点
(例)ルロイ修道士が死んでしまったことを「だめだ」と訴えたくなるほど、その死を受け入れられないという気持ち。「交差させる指は『だめだ』『いけない』の意味である」(2点)+「ルロイ修道士の死を認めたくない・受け入れられない」(2点)+「深い悲しみ・やりきれなさ・感謝と惜別」(2点)の三点で採点。
本教材最大の読みどころ。「わたし」は無意識に(知らないうちに)ルロイ修道士の指言葉を使っている。つまり、ルロイ修道士の生き方が「わたし」の体にまでしみこんでいることも示されている。この点に触れた答案は高く評価する。「〜という気持ち。」の形でないものは−1点。動作の説明だけ(例「指を交差させた」)は0点。
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四 「握手」の読解 (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(12)
6点
(例)ルロイ修道士が生涯をささげた愛情と、「わたし」との別れ、そして感謝が通い合う心のつながり。(45字)ルーブリック A(6点)…①二人の心の通い合い・結びつき ②別れ(最後の握手) ③ルロイ修道士の愛情または「わたし」の感謝 の三点がそろう。B(4点)…三点のうち二点。C(2点)…一点のみ、または「あいさつの動作」といった表面的な説明にとどまる。0点…題名と無関係な内容。
四十字以上五十字以内から外れたら−1点(上の例は45字で範囲内)。「握手」は、少年時代の力強い握手と別れの弱い握手という二つの握手を重ね、出会いから別れまでの関係全体を一語で表した題名である。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この作品は現在の再会の場面と少年時代の回想が交互に組み合わされている。どちらの時間の話かを、読みながら必ず区別する。
  2. ルロイ修道士の指の形は生まれつきではなく、戦争中の強制労働によるもの。体に残った戦争の跡である。
  3. 指言葉は意味を取りちがえやすい。人さし指をぴんと立てる=注意をうながす/両手の人さし指を交差させる=「だめだ」という強い否定。
  4. 「困難は分割せよ」は、困難から逃げる言葉ではなく、小さく分けて一つずつ片づけるという前向きな教え。
  5. 「総理大臣」にたとえる言葉は、相手を責める言葉ではなく、ユーモアで場をやわらげ、恨んでいないと示す言葉。
  6. 食べ物に手をつけないという小さな描写が伏線。読み返すと、別れを告げに来たことが初めからほのめかされている。
  7. 別れの握手は、少年時代の力強い握手と対比されている。「弱い」「骨の形がわかる」は、体の衰えと最後の別れを同時に表す。
  8. 最後の場面で指を交差させたのは「わたし」自身。無意識にルロイ修道士の指言葉を使っていることに意味がある。気持ちを問う記述は、動作をなぞるだけでは0点。「〜という気持ち。」の形でまとめる。
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