| 観点 | 大問 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 知識・技能 50点 | 一 | 漢字の読み書き(20問) | 1点×20=20点 |
| 二 | 歴史的仮名遣い(4問)と古語の意味(5問) | 2点×9=18点 | |
| 三 | 古典の基礎知識(成立・ジャンル・作者・同行者・蕉風)と俳句の形式(音数・切れ字・季語) | 12点 | |
| 思考・判断・表現 50点 | 四 | 「夏草—『おくの細道』から」の読解(全12問) | 50点 |
| 合計 | 100点 | ||
| 番号 | 解答 | 番号 | 解答 |
|---|---|---|---|
| ① | りょてい | ⑪ | 峠 |
| ② | はいかい | ⑫ | 宿泊 |
| ③ | ひょうはく | ⑬ | 風景 |
| ④ | えいが | ⑭ | 戦場 |
| ⑤ | むじょう | ⑮ | 兵士 |
| ⑥ | あと | ⑯ | 続く |
| ⑦ | おとろ(える) | ⑰ | 滅びる |
| ⑧ | おうしゅう | ⑱ | 緊張 |
| ⑨ | いせき | ⑲ | 永遠 |
| ⑩ | さみだれ | ⑳ | 震える |
| 番号 | 解答 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | まず | 歴史的仮名遣いの「づ」は、現代仮名遣いでは「ず」になる。「まづ」→「まず」。 |
| (2) | いずれ | 同じく「づ」→「ず」。「いづれ」→「いずれ」。「いずれの年よりか」=「どの年からだったか」の意味。 |
| (3) | ゆきかう | 語中・語尾の「ふ」は「う」になる。「行きかふ」→「ゆきかう」。すべてひらがなという指示があるので「行きかう」は×。 |
| (4) | さそわれて | 語中・語尾の「は」は「わ」になる。「さそはれて」→「さそわれて」。「あはれ」→「あわれ」も同じきまり。 |
| (5) | ア | 「古人」=昔の人。「古人も多く旅に死せるあり」は、西行・宗祇など、昔の人も旅の途中で亡くなったという意味。イ「年老いた人」と混同しないこと。 |
| (6) | イ | 「田野」=田畑や野原。「秀衡が跡は田野になりて」は、かつて栄えた秀衡の屋敷の跡が、今は田畑や野原になっているということ。 |
| (7) | ウ | 「義臣」=忠義をつくす家来。「さても義臣すぐつてこの城にこもり」は、えりすぐりの忠義の家来たちがこの城にこもって戦ったという意味。 |
| (8) | ウ | 「旧跡」=昔、事件や建物があった所。「泰衡らが旧跡」は、藤原泰衡らの館などがかつてあった跡地のこと。 |
| (9) | エ | 「時のうつるまで」=長い時間がたつまで。笠を敷いて腰をおろし、時がたつのも忘れて涙を流した、という作者の深い感慨を表す。 |
| 番号 | 解答 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 2点 | ウ | 『おくの細道』は江戸時代前期(元禄期)の作品。芭蕉の旅は一六八九年(元禄二年)、作品の完成はその後である。平安(枕草子・源氏物語)、鎌倉(方丈記など)との区別をつけておく。 |
| (2) 2点 | イ | 地の文(散文)で旅の道中を記し、ところどころに俳句を置く紀行文(俳諧紀行)。「随筆」「物語」ではない。 |
| (3) 2点 | 河合曽良 | 作者は松尾芭蕉、同行した弟子が河合曽良。「曽良」だけでも正答とする。「曾良」の表記も可。「曽長」「曹良」は×。 |
| (4) 2点 | ア | 芭蕉が確立した俳諧の作風を蕉風(しょうふう)という。貞門・談林は芭蕉より前の俳諧の流派、天明調は江戸中期の与謝蕪村らの作風。蕉風の理念としてさび・しをり・細み、そして「不易流行」(変わらない本質と、移り変わる新しさの両方が必要だという考え)を覚えておく。 |
| (5) 1点 | イ | 旅は江戸の深川を出発し、奥州・北陸をめぐって大垣に至る。 |
| (6) 1点 | 十七 | 俳句は五・七・五の十七音(十七音節)。漢数字で書くこと。「17」も内容が合っていれば可。 |
| (7) 1点 | や | 「夏草や兵どもが夢の跡」の「や」が切れ字。切れ字は「や・かな・ぞ・けり」などで、句にいったん切れ目をつくり、感動の中心を示す。 |
| (8) 1点 | 季語…五月雨/季節…夏 | 「五月雨」は旧暦五月、つまり梅雨のころの長雨で、季節は夏。「春」「梅雨」は×。両方そろって1点(部分点なし)。なお「夏草や」の句の季語は「夏草」で季節は夏。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (1) 3点 | ア | 「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」=年月そのものが旅人のようだ、ということ。そこから「人生そのものが旅である」という、芭蕉の根本の人生観が示される。イ「急いで生きるべき」のような教訓の話ではない。 |
| (2) 5点 | (例)人生そのものが旅だと感じ、自分も旅に出たいという気持ち。(28字) | 「人生=旅という見方(無常観)」(3点)+「旅に出たい(旅へのあこがれ・漂泊の思い)」(2点)の二点で採点。 「旅行が好きだという気持ち」のように、無常観にふれていないものは2点まで。文末が「〜という気持ち。」になっていないものは−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。 |
| (3) 3点 | イ | 平泉を本拠に栄えた奥州藤原氏(清衡・基衡・秀衡)の三代。源氏・平氏・徳川家ではない。場面が平泉であることをおさえる。 |
| (4) 5点 | (例)藤原氏三代の栄華が、ひと眠りの夢のようにはかなく消えたこと。(30字) | 「三代(藤原氏)の栄華」(2点)+「ひと眠りの夢のようにはかなく消えた」(3点)の二点で採点。 「一睡」を「ひと眠り・わずかな時間」と言いかえられているかが分かれ目。原文をそのまま書き写しただけのものは0点。文末が「〜こと。」でなければ−1点。二十五〜三十五字から外れたら−1点。 |
| (5) 3点 | イ | 中国・唐の詩人杜甫の「春望」の「国破山河在 城春草木深」を踏まえた表現。芭蕉の自作でも、『論語』でも、故事成語でもない。 |
| (6) 5点 | (例)中国の古典と重ねることで、国の興亡のはかなさに格調と普遍性をもたせる効果。(37字) | 「有名な漢詩(中国の古典)と重ねる」(2点)+「格調が高まる/普遍的な(いつどこでも通じる)感慨になる」(3点)の二点で採点。 「かっこよく見える」だけは1点。「平泉の荒廃を、国の興亡という大きな歴史の中に置いて感じさせる」も正答。三十〜四十字から外れたら−1点。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (7) 3点 | ウ | 「高館」は、源義経が居館とし、最期を遂げた所と伝えられる。源頼朝は義経の兄で鎌倉幕府を開いた人物、平清盛は平氏の棟梁、徳川家康は江戸幕府を開いた人物で、いずれも高館とは結びつかない。 |
| (8) 6点 | (例)激しく戦った武士たちの功名も今は夏草の下に消え、夢のようだという感慨。(35字) | 「武士(兵)たちが戦い、功名を争った」(2点)+「今は夏草がしげるだけで何も残っていない」(2点)+「すべては夢のようにはかない」(2点)の三点で採点。 季語「夏草」(夏)と切れ字「や」を手がかりに、生命力あふれる夏草と消えた人間の営みの対比をつかませたい。「草がしげっている」という情景の説明だけは2点まで。文末が「〜という感慨。」でなければ−1点。三十〜四十字から外れたら−1点。 |
| (9) 3点 | イ | 「光堂」は、平泉の中尊寺金色堂のこと。堂全体が金色にかがやくことから「光堂」と呼ばれた。句は、長い年月の五月雨(風雨)が、まるでここだけは降り残したかのように、光堂だけが朽ちずに輝きを残していることへの感動をうたう。ア毛越寺は庭園で名高い寺、ウ金閣は京都、エ東照宮は日光で、いずれも別の場所。 |
| (10) 6点 | (例)移り変わる人の世の栄華と、時を超えて変わらない光堂とが、対照的に描かれている。(39字) | 「夏草の句=移り変わる・消えていくもの(流行)」(3点)+「光堂の句=時をこえて変わらないもの(不易)」(3点)の二点で採点。 二句を対照的に並べていることに気づけているかが最大のポイント。片方しか書けていないものは3点。「不易流行」という語を使っただけで中身のないものは0点。三十五〜四十五字から外れたら−1点。 |
| (11) 3点 | イ・ウ | イ…漢語と対句を多く用いた和漢混交の文体で、きびきびとした格調の高い調子になっている。ウ…地の文で語り、俳句で結ぶという構成が、感動を一点に集めて強く印象づける。ア「和語だけ」、エ「俳句だけ」、オ「会話文中心」はいずれも誤り。二つそろって3点(完答)。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (12) 5点 | (例)形あるものはいつか失われるが、だからこそ今ある時間や人との出会いを大切にしたいと思う。(43字) | 【ルーブリック】 A(5点)…「無常」=すべては移り変わるという内容を正しくとらえ、そのうえで自分の考え(どう生きたいか・どう感じるか)を、理由とともに書けている。四十〜五十字。 B(3〜4点)…無常の内容は正しいが、自分の考えが一般的・あいまい(「はかないと思う」だけ)。または字数が範囲から少し外れている。 C(1〜2点)…本文の内容をなぞっただけで、自分の考えが書かれていない。 D(0点)…無常を「なさけがない(無情)」など別の意味でとらえている。無記入。 ※賛成・反対のどちらでもよい。「変わるからこそ美しい」「変わらないものもあると思う」なども正答。四十〜五十字から外れたら−1点。 |