中学3年 国語科 教材別テスト⑤ 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学3年 国語 / 「俳句の可能性/俳句を味わう」(光村図書『国語3』)
【このテストの使い方】 句や鑑賞文は載せていません。教科書『国語3』の「俳句の可能性」「俳句を味わう」のページを開いたまま解答します。大問三では、著作権が切れている江戸〜明治の句(芭蕉・蕪村・一茶・子規)だけを用いて、形式と修辞の用語を確かめます。大問四は「俳句を味わう」からどの句を選んでもよい自由選択型です。そのため、模範解答には「正解の一つの形」ではなく採点基準(ルーブリック)を示しています。選んだ句がちがっても、同じ基準で採点できるようにつくられています。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句の知識(語の意味・対義語・部首名・四字熟語・熟語の組み立て)2点×7=14点
三俳句の形式と修辞(定型・季語と季節・歳時記・切れ字・句切れ・字余り・取り合わせ・無季・自由律)16点
思考・判断・表現
50点
四俳句の鑑賞(「俳句を味わう」から自分で選んだ一句について記述)50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 俳句の定型(五・七・五の十七音)と季語・季節という土台を、歳時記の考え方とあわせて理解しているか。
② 切れ字(や・かな・けり)と句切れの関係を、句の形から自分で判断できるか。
③ 体言止め・比喩・擬人法・倒置・取り合わせ・一物仕立てなどの用語を、名前だけでなく働きまで説明できるか。
④ 一句から情景を立ち上げ、さらに作者の感動の中心(主題)へ読みを進められるか。
⑤ 自分の感想を、句の言葉を根拠として引用しながら述べられるか(「なんとなくよい」で終わらせない)。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①はいじん⑪個性
②れんが⑫省略
③よ(む)⑬訪れ
④ぎょうしゅく⑭雄大
⑤よいん⑮鋭い
⑥かんしょう⑯響く
⑦おもむき⑰刻む
⑧う(かぶ)⑱静寂
⑨かんがい⑲余白
⑩せんさい⑳象徴
小計 20点
【注意したい字】 ②「連歌」は「れんが」。「れんか」と読まないこと。俳諧(俳句)のもとになった文芸。③「詠む」は「よむ」。「読む」と書き分ける(詠む=詩歌をつくる)。④「凝縮」の「凝」は「ぎょう」。「ぎしゅく」と読む誤りが多い。⑤「余韻」の「韻」は「音」+「員」。⑥「鑑賞」は芸術を味わうこと。「観賞」(草花などを見て楽しむ)、「感傷」と書き分ける。⑦「趣」は一字で「おもむき」。⑨「感慨」の「慨」はりっしんべん。「感概」は×。③⑧⑬⑮⑯⑰は送りがなまで必要。⑬「訪れ」は「訪づれ」と書かない。⑱「静寂」の「寂」はうかんむり。⑳「象徴」の「徴」は「微」とまちがえやすい。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)イ「風流」=上品で趣のあるものを味わい楽しむこと。俳諧の世界を語るときの基本語。アは「流行」との混同。
(2)ウ「推敲」=詩歌や文章の表現を何度も練り直すこと。わずか十七音の俳句では、一語の入れ替えが作品を決める。
(3)イ「余情」=読み終えたあとに心に残る味わい。「余韻」とほぼ同じ意味で使う。俳句が短い形式でありながら深く感じられる理由がこれ。
(4)主観客観 ⇔ 主観。「写生」=対象を客観的にとらえて描くこと、という考え方とあわせて覚える。
(5)にんべん「俳」の部首は「人(亻)」。部首名は「にんべん」。「ひとやね」(𠆢)は×。
(6)かちょうふうげつ「花鳥風月」=自然の美しい景物。また、それを題材に詩歌をつくること。「はなとりかぜつき」は×。
(7)ア「開花」=「花が開く」=主語と述語の関係。「国立」=「国が立てる」で同じ。イ読書は目的(書を読む)、ウ高低は反対の意味、エ岩石は似た意味の組み合わせ。
小計 14点
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三 俳句の形式と修辞 (16点)
番号解答解説
(1)
2点
五・七・五合わせて十七音。「十七音」とだけ答えたものも正答とする。「五・七・五・七・七」は短歌なので×。
(2)
2点
歳時記季語を春・夏・秋・冬・新年に分類し、例句を添えて集めた書物。俳句をつくるときの辞典にあたる。
(3)
2点
や・かな・けり三つそろって2点(完答)。一つでも欠けたり、余分なものを入れたら0点。切れ字はそこで句が切れ、作者の感動が集まる目印になる。
(4)
2点
季語…蛙 / 季節…春「古池や蛙飛びこむ水の音」(松尾芭蕉)。「蛙(かわず)」は春の季語。「古池」を季語とした答えは×。季語・季節の両方が正しいときだけ2点。
(5)
2点
季語…柿 / 季節…秋「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)。「柿」は秋の季語。「鐘」「法隆寺」は季語ではない。両方正しいときだけ2点。
(6)
2点
ア(初句切れ)「菜の花や月は東に日は西に」(与謝蕪村)。切れ字「や」が初句(五音目)の直後にあるので初句切れ。切れ字の位置がそのまま句切れの位置になる、という見分け方を確認させたい。
(7)①
1点
字余り定型より音数が多いのが字余り、少ないのが字足らず。「字足らず」と答えたら0点。
(7)②
1点
無季俳句季語をもたない俳句。季語がないぶん、言葉そのものの力で情景や心情を支えることになる。
(7)③
1点
取り合わせ直接関係のない二つの事物を並べ、その間に生まれる響き合いで世界を広げる作り方。逆に、一つの事物だけで最後まで仕立てるのが一物仕立て。
(7)④
1点
自由律俳句五・七・五の定型にとらわれない俳句。無季(季語の有無)と自由律(音数の自由)は別の観点なので、混同しないこと。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点
【切れ字と句切れの関係(確認)】 切れ字「や・かな・けり」が置かれた場所で、句は意味の上でいったん切れる。初句(五)の後で切れれば初句切れ、第二句(七)の後で切れれば二句切れ、句の途中で切れれば中間切れ、どこにも切れ目がなければ句切れなし。切れ字がなくても、言い切りの形(終止形)や体言止めで切れることがあるので、「切れ字がない=句切れなし」と決めつけないこと。
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四 俳句の鑑賞 (50点) *自由選択型のため採点基準(ルーブリック)を示す
【採点の前に】 生徒が選ぶ句は人によってちがいます。下の表は、どの句を選んでも同じ基準で採点できるようにつくった採点表です。表中の「(例)」は、著作権の切れた江戸〜明治の句(松尾芭蕉「古池や…」、正岡子規「柿くへば…」)を題材にした書き方の見本です。生徒が選んだ句そのものの正解例ではないので、そのまま配らないこと。字数は句読点・かぎかっこも一字と数えます。
番号満点の条件採点基準(部分点)
(1)
4点
教科書「俳句を味わう」に実際に収められている句の作者名と、その句の最初の三字が、正しい表記で書かれている。
(例)作者名…松尾芭蕉/最初の三字…古池や
作者名2点/最初の三字2点。
無記入の場合は(2)以降も採点できないので、大問四全体を0点とする(必ず書かせる)。教科書に載っていない句を選んだ場合も0点。
句の全体を書き写してしまったものは、作者名が正しければ2点止まり(指示違反として最初の三字の2点は与えない)。
(2)
4点
選んだ句の季語を一語だけ正確に書き抜き、その季節(新年・春・夏・秋・冬)を正しく答えている。無季の句なら「無季」と書けている。
(例)季語…蛙/季節…春
季語2点/季節2点。
季語ではない語(固有名詞・地名・人工物など)を挙げたものは0点。
季語は正しいが季節を誤った場合は2点(例「蛙=夏」)。現代の感覚と歳時記の季節がずれる語(蛙=春、天の川=秋、など)は、季節だけの誤りとして2点を与える。
無季の句を選んで「無季」と書けていれば4点。
(3)
6点
①切れ字の有無が正しく、ある場合はその切れ字(や・かな・けり)を書き抜いている。
②句切れの位置(初句切れ・二句切れ・中間切れ・句切れなし)が正しい。
③判断の理由が、切れ字の位置や言い切りの形など句の形に即して書けている。
(例)切れ字…有「や」/初句切れ/理由…切れ字「や」が初句の直後にあるから。
切れ字の有無・書き抜き2点/句切れの位置2点/理由2点。
理由が「読んだときそこで止まる感じがするから」のような印象だけのものは1点。
「切れ字『や』があるから」のように位置に触れていないものは1点。
切れ字がない句で「句切れなし」と答え、理由に「切れ字がないから」としか書いていないものは理由0点(終止形・体言止めの確認が必要)。
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四 俳句の鑑賞 (つづき) *自由選択型のため採点基準(ルーブリック)を示す
番号満点の条件採点基準(部分点)
(4)
8点
①技法名が正確(切れ字・体言止め・比喩〈直喩・隠喩〉・擬人法・倒置・反復・取り合わせ・一物仕立て・字余り など)。
②その技法がその句のどこに使われているかを示している。
③効果を「〜ことで、〜が伝わる(際立つ・余韻が残る)」のように、表現と読者の受け取り方を結びつけて説明できている。
(例)体言止め。「水の音」と名詞で言い終えることで、音だけがあとに残り、深い静けさが際立つ。
技法名2点/箇所の指摘2点/効果の説明4点。
技法名が「表現技法」「工夫」など用語になっていないものは0点。「比喩」とだけ書いたものは2点(直喩・隠喩まで書けていれば満点扱い)。
効果が「印象的だ」「きれいだ」のような感想だけのものは2点。
「リズムが生まれる」「余韻が残る」「情景が目に浮かぶ」「二つの事物が響き合う」など具体的な効果が書けていれば4点。
技法名と句の内容が明らかに合っていない場合(例:擬人法がない句に擬人法)は技法名・箇所とも0点。
(5)
8点
句に描かれた情景が、どこで・何が・どうなっているかの形で、25〜40字でまとめられている。
(例)静まり返った古い池に蛙が飛びこみ、水の音だけが響いた情景。(29字)
句の言葉に基づいた情景になっている…4点/「場所・もの・動き(状態)」の三つの要素がそろっている…4点(二つで2点)。
句をそのまま口語に直しただけ(逐語訳)のものは4点。
句に書かれていない出来事を加えた作り話は2点。
気持ちの説明になっているものは(6)の内容なのでここでは2点。
字数(25〜40字)から外れたら−1点。
(6)
10点
句全体をふまえて、作者が最も強く心を動かされていること(感動の中心=主題)が、25〜40字でまとめられている。
(例)一瞬の水音によって、かえって際立つ深い静けさへの感動。(27字)
感動の中心をとらえている…6点/言葉が具体的で、その句でなければ書けない内容になっている…4点。
どの句にも当てはまる一般論(例「自然のすばらしさ」だけ)は6点止まり。
情景の説明のくり返しになっているものは4点((5)との書き分けができていない)。
切れ字や季語の置かれた位置を手がかりにして主題を導いているものは、記述が短くても満点を与えてよい。
字数(25〜40字)から外れたら−1点。
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四 俳句の鑑賞 (つづき) *自由選択型のため採点基準(ルーブリック)を示す
番号満点の条件採点基準(部分点)
(7)
10点
①選んだ理由が書けている。
②句の中の言葉を「 」で引用している。
③その言葉からどう感じたか・考えたかを述べている。
④60〜80字に収まっている。
(例)「柿くへば」という日常のしぐさから、法隆寺の鐘の音へと一気に世界が広がるところに引かれた。味覚と音が重なり、古都の秋の空気まで感じられた。(69字)
選んだ理由…3点/句の言葉の引用…3点/自分の感想・考え…2点/文章としてのまとまりと字数…2点。
句の言葉にまったくふれていないものは最大4点。
「おもしろかった」「よかった」だけで終わっているものは2点。
引用が長すぎて句の全体を書き写しているものは引用の3点を与えない。
字数(60〜80字)から外れたら−1点。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. 俳句の定型は五・七・五の十七音。短歌(五・七・五・七・七)と混同しない。音数はかな一字=一音で数え、「っ」「ん」も一音、小さな「ゃ・ゅ・ょ」は前の字とあわせて一音。
  2. 季語の季節は歳時記の決まりに従う。現代の感覚とずれる語に注意(蛙・菜の花=春/天の川・柿=秋/五月雨=夏)。
  3. 切れ字は「や・かな・けり」。「が」「ども」などは切れ字ではない。
  4. 切れ字のある位置=句切れの位置。ただし切れ字がなくても、終止形や体言止めで切れることがある。「切れ字がない=句切れなし」は誤り。
  5. 無季(季語がない)と自由律(音数が自由)は別の観点。両方を兼ねる句もあるが、用語としては区別する。
  6. 取り合わせ=関係のない二つの事物を並べる/一物仕立て=一つの事物だけで仕立てる。名前と中身をセットで覚える。
  7. 情景(何が見えるか)と主題・感動の中心(作者が何に心を動かされたか)は別のもの。情景をもう一度書くだけでは主題の点にならない。
  8. 感想は必ず句の言葉を「 」で引用して書く。ここが点数の分かれ目になる。ただし引用は短く(三字程度)にとどめること。
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