中学3年 国語科 教材別テスト⑫ 模範解答・解説
教材別リメイク版 中学3年 国語 / 「わたしを束ねないで」(新川和江)・光村図書『国語3』
【このテストの使い方】 この詩は著作権が存続している現代詩のため、問題用紙にも解答にも本文は一行も載せていません。必ず教科書『国語3』の「わたしを束ねないで」のページを開いたまま解答します。本文は「第一連」「第五連」のように連の番号で示しているので、どの連の話をしているのかを確かめながら読み進めてください。書き抜き問題はありません。詩のしくみ(くり返し・連の対応・イメージの広がり)と主題をつかむことがねらいです。
配点一覧
観点大問内容配点
知識・技能
50点
一漢字の読み書き(20問)1点×20=20点
二語句の知識(対義語・類義語・慣用句・四字熟語・語彙)2点×7=14点
三表現技法とその効果(反復・呼びかけ・倒置・体言止め・列挙・比喩)16点
思考・判断・表現
50点
四「わたしを束ねないで」の読解50点
合計100点
【出題のねらい】 ① 題名と各連の冒頭が「わたしを〜ないで」という否定の呼びかけでそろい、それがくり返される構成に気づけるか。
② 各連が〈枠にはめようとする行為をこばむ前半〉と〈本来のわたしを示す後半〉の二部構造で対応していることを説明できるか。
③ こばむ側のイメージ(まとめられ、留め置かれ、注がれ、名づけられ、区切られるもの)と、〈わたし〉のイメージ(広がり、動き、流れるもの)を対照としてとらえられるか。
④ 「娘」「妻」「母」のような既成の役割・肩書きに閉じこめられずに生きたいという主題を、自分の言葉で書けるか。
⑤ 口語自由詩としての行分け・空白・くり返しが、どのように思いを強めているかを効果として説明できるか。
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一 漢字の読み書き (1点×20=20点)
番号解答番号解答
①たば(ねる)⑪稲穂
②ひょうほん⑫枠
③こんちゅう⑬願う
④かたがき⑭求める
⑤こうそく⑮名札
⑥きせい⑯区画
⑦かいほう⑰広がる
⑧つむ(ぐ)⑱呼びかける
⑨す(んだ)⑲倒置
⑩うった(える)⑳反復
小計 20点
【注意したい字】 ①「束ねる」は「たばねる」。「そくねる」は誤り。②「標本」の「標」はきへん。「漂」(さんずい)と混同しないこと。④「肩書き」は「けんがき」ではなくかたがき。⑤「拘束」の「拘」はてへん。「構」「購」との書き分けに注意。⑥「既成」はできあがっている意。「既製(品)」との使い分けも確認。⑦「解放」はときはなつ意で、「開放(開けはなつ)」とは別。⑧「紡ぐ」はいとへん。⑪「稲穂」の「穂」はのぎへん。⑫「枠」はきへん。右側は「卒」ではなく「卆」で、全体で八画。⑯「区画」を「区劃」「区郭」と書かないこと。⑲「倒置」の「倒」はにんべん。①⑧⑨⑩⑬⑭⑰⑱は送りがなまで必要。
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二 語句の知識 (2点×7=14点)
番号解答解説
(1)抽象具体 ⇔ 抽象。具体=形や実例をもってはっきりしていること、抽象=個々の事がらから共通する性質を取り出して考えること。「抽象」の「抽」はてへん。
(2)イ「拘束」=行動の自由をうばってしばること。ほぼ同義の「束縛」が正答。ウ「放任」は反対の意味。
(3)ア「型にはまる」=決まりきったやり方のとおりで、新しさや個性がない。この詩のテーマそのものにつながる言い方。
(4)イ「レッテルを貼る」=人や物を一方的に決めつけて評価する。ほめる意味では使わず、ふつうよくない決めつけに用いる。
(5)様(多種多様)「多種多様」=種類も性質もさまざまであること。「多種多種」「多種多量」は誤り。
(6)イ「十人十色」=好みや考えは人それぞれ。似た意味の四字熟語に「各人各様」がある。
(7)ウ「画一的」=どれも同じようにそろえて、個々のちがいを認めない。「画」を「絵」の意味でとらえる誤りが多い。
小計 14点
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三 表現技法とその効果 (16点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
4点
(例)同じ訴えが重なって耳に残り、話し手の思いの強さが読む人に伝わる効果。(34字)技法は反復。「くり返されることで印象に残る/耳に残る」(2点)+「思いの強さ・切実さが伝わる/気持ちが高まる」(2点)の二点で採点。
「くり返している」と事実をなぞっただけのものは0点(効果を書くこと)。25〜40字から外れたら−1点。
(2)
3点
イ「〜ないで」は否定の命令(禁止)の形で、目の前の相手(二人称)に向けられる。そのため、落ち着いた説明ではなく直接うったえる切実な調子が生まれる。
(3)
3点
(例)先に述べた動きが強く印象に残り、余韻のある言い方になる。(28字)技法は倒置。「前に出た部分(動き)が強調される」(2点)+「印象・余韻が残る」(1点)。「語順が入れかわっている」だけは0点。20〜30字から外れたら−1点。
(4)
2点
(例)言い切らずに余韻を残し、情景を読む人に想像させる。(25字)技法は体言止め。「余韻・印象づけ」または「読み手に想像させる」のどちらかが書けていれば2点、どちらもなければ0点。20〜30字から外れたら−1点。
(5)
2点
(例)いろいろなものが次々と並び、にぎやかな広がりが伝わる。(27字)技法は列挙。「いくつも重なって広がる感じ/数の多さ・豊かさ」が書けていれば2点。「読みやすくなる」は0点。20〜30字から外れたら−1点。
(6)
2点
イ①は「〜のように」を使う直喩、②は使わない隠喩。隠喩はたとえの印がないため、二つのものが一つに重なって見え、印象が強くなる。なお「夜の町が息をしている」のように人でないものを人のようにえがくのは擬人法で、直喩・隠喩と並ぶ比喩表現の一つ。
小計 16点 / 知識・技能 合計 50点(20+14+16)
【効果を書くときの型】 技法の効果を問われたら、「〜が強調され(印象づけられ)、〜が伝わる(感じられる)。」の型でまとめると得点しやすい。技法名を書いただけ・言いかえただけでは0点になる。とくに「反復」は〈くり返す→印象に残る→思いが高まる〉、「倒置」は〈語順を変える→前に出た語が目立つ〉、「体言止め」は〈言い切らない→余韻〉、「列挙」は〈並べる→広がり・豊かさ〉と、原因と結果をつないで書くこと。
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四 「わたしを束ねないで」の読解 (50点)
番号解答解説・採点のポイント
(1)
3点
エ話し言葉に近い口語で書かれ、音数や行数の決まりがない自由詩。「口語自由詩」。
(2)
4点
イ題名と各連の初めが同じ形でそろう反復の構成。くり返すたびにこばむ対象だけが入れかわり、五つの連が一つの願いの言いかえとして結びついていく。ア「関係がない」は誤り。ウ「形がくずれる」、エ「とまどい」も本文と合わない。
(3)
4点
イ各連は〈前半=枠にはめようとする行為をこばむ〉+〈後半=本来のわたしのありようを示す〉の二部構造で、五連すべてが同じ形に対応している。この型をつかめると、(5)(7)(10)もまとめて解ける。
(4)
3点
イ「〜ないで(ください)」と呼びかけられている相手は、「わたし」をできあいの役割や枠に当てはめようとする周囲の人々・世の中。特定の一人ではなく、そうした見方そのものに向けられている。
(5)
5点
(例)見渡すかぎりに広がり、たえず動き続ける、大きく自由なもの。(29字)「広がり・大きさ・果てしなさ」(2点)+「動き続ける・流れる・とどまらない」(2点)+「自由である」(1点)で採点。
「りっぱなもの」「美しいもの」など、広がり・動きに触れないものは1点まで。「〜もの。」の形で結んでいないものは−1点。25〜40字から外れたら−1点。
(6)
4点
イ「娘」「妻」「母」は、いずれも他者との関係によって与えられる役割名。その名で用意された立場にとどめ置かれることは、一人の人間としての広がりを奪われることを意味する。ア「家族をわずらわしく思う」は言いすぎで誤り。
(7)
5点
(例)だれかに区切られて終わるものではなく、どこまでも続き広がっていくものととらえているから。(44字)「他人に区切られ、完結させられるものではない」(2点)+「終わりなく続き、広がっていく」(2点)+「自分の生き方そのものとして」(1点)で採点。
「川のようだから」とたとえを言いかえただけのものは1点。「〜ととらえているから。」の形で結んでいないものは−1点。30〜45字から外れたら−1点。
(8)
4点
ア題名の「束ねる」は、花を束ねるような実際の動作ではなく、一人一人の個性を区別せず、ひとまとまりにして扱うことのたとえ。この詩が「束ねられること」をこばむ理由がここにある。ア=文字どおりの意味、ウ・エは詩と無関係。
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四 「わたしを束ねないで」の読解 (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(9)
3点
イ行分けと空白(一字空け)は、読む速さ・息づかいを変えるはたらきをもつ。空白のところで自然に間ができ、読み手がそこで立ち止まって思いを広げる。ア「読み方に関係しない」、ウ「定型のリズム」(自由詩なので定型ではない)は誤り。
(10)
5点
(例)既成の役割や名前に閉じこめられず、自由に広がって生きたいという願い。(34字)「既成の役割・肩書き・名前に閉じこめられない」(3点)+「自由に広がって生きたい」(2点)で採点。
「自由がほしい」だけは2点。「女性はつらい」など作品外の主張にずれたものは0点。25〜40字から外れたら−1点。
(11)
4点
(例)各連のはじめの呼びかけを、連を追ってしだいに強く読む。訴えが重なって高まっていくことを声で表せるから。(51字)【採点ルーブリック】
4点…具体的な工夫(例:呼びかけの行を強く読む/空白で間をとる/後半のイメージはゆったり広げて読む)と、その理由が詩の構成・効果(反復・二部構造・広がり)に結びついている。
2点…工夫は書けているが、理由が「気持ちがこもるから」など一般的な説明にとどまる。
1点…「大きな声で読む」など、この詩でなくても言える内容のみ。
0点…工夫も理由も書かれていない。
40〜60字から外れたら−1点。
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四 「わたしを束ねないで」の読解 (つづき)
番号解答解説・採点のポイント
(12)
6点
(例)わたしは、学級で「おとなしい子」と決めつけられるのがいやだ。本当は言いたいことがたくさんある。この詩の「わたし」も、与えられた名前に収まることを拒んでいる。(78字)【採点ルーブリック】
6点(満点の条件)…①自分が束ねられたくないと感じる場面が一つ具体的に書かれている/②その場面で何を決めつけられているかが示されている/③この詩の「わたし」の思い(既成の枠に収まることをこばむ)と重ねて述べられている。
4点…①②は書けているが、③の詩との結びつけが弱い(「この詩と同じだ」だけなど)。
2点…場面だけ、または詩の説明だけ。
0点…無解答、または設問と関係のない内容。
60〜80字から外れたら−1点。言葉づかいの乱れ・誤字は内容点から減じない。
思考・判断・表現 合計 50点 / 総合 100点
【この教材で落としやすいポイント(8つ)】
  1. この詩は五つの連が同じ型でくり返される。連ごとにばらばらの話をしているのではなく、同じ願いを五通りに言いかえている。
  2. 各連は〈前半=こばむ〉+〈後半=本来のわたし〉の二部構造。この対応をおさえると、どの連の問いも同じ考え方で解ける。
  3. こばむ側のイメージは、まとめられ・留められ・注がれ・名づけられ・区切られるというすべて「小さく閉じて固定する」方向でそろっている。
  4. 〈わたし〉の側のイメージは、広がり・動き・流れでそろう。前半と後半は必ず対照になっていると考えて読む。
  5. 「わたしを〜ないで」は否定の命令(禁止)+二人称への呼びかけ。この形が、説明ではない切実な訴えを生む。ここを「作者がなげいている」と読むと主題がずれる。
  6. 第四連の「娘」「妻」「母」は家族への不満ではなく、役割名に閉じこめられることへの拒否。読みちがえが最も多い連。
  7. 題名の「束ねる」は、個性を区別せずひとまとまりに扱うという比喩的な意味。実際の動作と取りちがえない。
  8. 記述は、詩のたとえをそのまま言いかえるだけでは得点にならない。「〜ということ。」「〜という気持ち。」「〜もの。」など、設問の指定する結び方に合わせて、たとえを自分の言葉に置きかえて書くこと。
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