| 観点 | 大問 | 内容 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 知識・技能 50点 | 一 | 漢字の読み書き(20問) | 1点×20=20点 |
| 二 | 文語定型詩の形式と歴史的仮名遣い(詩の四分類・音数律・連・文語の助動詞・古語) | 2点×9=18点 | |
| 三 | 表現技法と文学史(比喩・擬人法・倒置・反復・体言止め/島崎藤村と『若菜集』) | 2点×6=12点 | |
| 思考・判断・表現 50点 | 四 | 「初恋」(島崎藤村)の読解(12問) | 50点 |
| 合計 | 100点 | ||
| 番号 | 解答 | 番号 | 解答 |
|---|---|---|---|
| ① | かんけつ | ⑪ | 象徴 |
| ② | れんぼ | ⑫ | 韻律 |
| ③ | じょじょう | ⑬ | 余韻 |
| ④ | ろうえい | ⑭ | 光景 |
| ⑤ | せんさい | ⑮ | 清純 |
| ⑥ | けいふ | ⑯ | 優雅 |
| ⑦ | ろうまん | ⑰ | 陶酔 |
| ⑧ | め(でる) | ⑱ | 郷愁 |
| ⑨ | した(う) | ⑲ | 快い |
| ⑩ | いろど(る) | ⑳ | 麗しい |
| 番号 | 解答 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | イ(文語定型詩) | 詩は「文語か口語か」×「定型か自由か」で四つに分けられる。「初恋」は昔の書き言葉(文語)で書かれ、しかも七音+五音という音数のきまりをもつので文語定型詩。 |
| (2) | ウ | 口語自由詩=今の話し言葉で書かれ、音数のきまりをもたない詩。現代の詩の多くはこれ。ア(四行)・エ(季語)は詩の分類の説明ではなく、イ(漢字だけ)も誤り。 |
| (3) | 七五調 | 「まだあげ初めし(七)/前髪の(五)」のように、七音→五音の順でくり返される。逆に五音→七音の順なら五七調。「七五調」と漢字三字で書けていれば正答。 |
| (4) | 四(連) | 詩のまとまりを連(聯)という。「初恋」は四行ずつ、全部で四連。「4」とアラビア数字で書いたものも、数が合っていれば正答とする。 |
| (5) | ウ(過去・詠嘆) | 文語の助動詞「けり」は過去や詠嘆(〜だなあ)を表す。「花ある君と思ひけり」=「花のような人だと思ったのだ(なあ)」。 |
| (6) | ア(き) | 「あげ初めし」「あたへし」の「し」は、過去の助動詞「き」の連体形。イ「ぬ」は完了、ウ「たり」・エ「り」は完了・存続。 |
| (7) | ①おもいけり ②おのずから | 語の中・終わりの「ひ」は「い」に、「づ」は「ず」に直す。①②の両方できて2点(完答)。漢字を混ぜて「思いけり」と書いたものも、仮名の直し方が正しければ正答とする。 |
| (8) | ①たまう ②ゆえ | 語の中・終わりの「ふ」は「う」に、「ゑ」は「え」に直す。①②の両方できて2点(完答)。①を「たもう」と書いたものは、仮名遣いの直し方としては誤りなので×。 |
| (9) | ア(〜なさる=尊敬) | 「たまふ」は尊敬の意味を添える語。「問ひたまふ」=「お尋ねになる」。相手の少女を敬い、やわらかに描く働きをしている。 |
| 番号 | 解答 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | イ(隠喩・暗喩) | 「〜のようだ」を使うのが直喩(明喩)、使わないのが隠喩(暗喩)。「花ある君」のように、たとえの言葉を省いて重ねる言い方が隠喩。 |
| (2) | ①ウ ②エ ③カ | ①人でないものを人のように表すので擬人法。②ふつうの語順(あの日の林檎畠は美しい)を入れかえているので倒置。③名詞(体言)で言い終わっているので体言止め。①②③の三つそろって2点(完答)。 |
| (3) | 反復 | 同じ言葉・似た言葉のくり返し。「初恋」でも「初めし」「林檎」がくり返され、調子と印象を強めている。「くり返し」とひらがなで書いたものは、漢字二字の指定に合わないので×。 |
| (4) | イ | 島崎藤村(1872〜1943)は明治から昭和にかけて活躍した詩人・小説家。詩人として出発し、のちに小説に移った。 |
| (5) | ア | 『若菜集』は明治三十年(1897年)刊の藤村の第一詩集。浪漫(ロマン)主義の近代詩の出発点とされる。イは刊行時期が誤り。ウ『落梅集』は『若菜集』より後(明治三十四年)の詩集、エ『家』は詩集ではなく小説なので、ウ・エも誤り。 |
| (6) | ア | 藤村はのちに自然主義の小説『破戒』『夜明け前』を書いた。同じ時期の詩人には土井晩翠・北村透谷らがいる。イの『坊っちゃん』『草枕』は夏目漱石、エの『羅生門』『鼻』は芥川龍之介の作品。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (1) 4点 | ア | 第一連は出会いの場面。林檎の木の下に現れた少女の、花櫛をさした姿を見て「花ある君」と感じている。イ「売っている」・ウ「別れ」・エ「手紙」はいずれも詩に書かれていない。 |
| (2) 3点 | イ | 「あげ初めし」=髪を結い上げ始めたばかり。当時、少女は年ごろになると髪を結い上げた。子どもから大人になりかけた年齢と、そのあどけなさ・初々しさを同時に暗示する表現。 |
| (3) 3点 | ウ | 花櫛の「花」から少女自身の美しさへと意味が重なり、「君=花」という隠喩になっている。「花をもっている人」という字づらだけの理解では不十分。 |
| (4) 4点 | イ | 「人こひ初めしはじめなり」=「人を恋し始めた、その始まりであった」。林檎を受け取ったその瞬間が恋の自覚の瞬間だったと、後からふり返って告げている。 |
| (5) 3点 | やさしく白き手をのべて (11字) | 書き抜きなので、一字一句そのままであること。「やさしく白き手」(七字)だけのもの、現代語に直したものは×。文語の仮名のまま写せているかを確認する。 |
| (6) 4点 | ウ | 第三連は、「われ」のためいきが少女の髪にかかるほど寄り添っている場面。「たのしき恋の盃」という表現が、酒に酔うような甘く満ち足りた時間を表している。ア・イ・エのような緊張や悲しみはない。 |
| (7) 3点 | イ | 「おのづから」=自然に・ひとりでに。誰かが作ったのではなく、二人が通い続けたあとが道になった。この「道」が、二人の過ごした時間の長さの証しになっている。 |
| (8) 3点 | イ | 第一連=出会い/第二連=恋の自覚/第三連=親密/第四連=思い出(ふり返り)。四連が時間の流れに沿って並び、初恋の一部始終がたどれる構成になっている。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (9) 5点 | (例)薄紅の林檎が、二人の間に育っていく初恋そのものを表していること。(32字) | 「林檎が初恋(二人の恋)を表す=象徴である」(3点)+「薄紅という色や実の印象が、初恋の初々しさ・甘やかさと重なる」(2点)で採点。 「林檎はおいしそうだということ」のように物としての説明だけのものは0点。「〜こと。」の形で結べていないものは−1点。 |
| (10) 6点 | (例)細道の由来を知りながらわざと尋ねる少女がいとおしく、恋の甘さをしみじみ味わう気持ち。(42字) | 「少女が、わかっていながらわざと尋ねてみせている」(3点)+「そのしぐさがいとおしく、恋が甘美に感じられる」(3点)で採点。 「こひしけれ」は「恋しい」の已然形で、「こそ〜けれ」の形で強調されている。少女を責める気持ち・悲しむ気持ちと読んだものは0点。「〜気持ち。」の形で結べていないものは−1点。この詩の最大の読みどころ。 |
| (11) 6点 | (例)林檎の木の下で芽生えた初恋の、あまやかな喜びといとおしさ。(29字) | 「初恋」という語(2点)+「林檎畠(林檎の木の下)という場」または「出会いから思い出まで」(2点)+「あまやかさ・いとおしさ・喜びといった心情語」(2点)で採点。 あらすじをなぞっただけのものは最大2点。二十五〜四十字から外れたら−1点。 |
| 番号 | 解答 | 解説・採点のポイント |
|---|---|---|
| (12) 6点 | (例)文語の古風で整った響きが、初恋の初々しさを現実から離れた美しい思い出として感じさせる効果がある。(48字) | 【ルーブリック】 A(6点)…文語の特徴(古風・格調・雅な響き・七五調との調和)を挙げ、作品にどう働くか(美化される/思い出として遠く感じる/初々しさが際立つ など)まで書けている。 B(4点)…文語の特徴は挙げられているが、作品への働きが一般論どまり(例「きれいに感じる」)。 C(2点)…「昔の言葉だから古い感じがする」など、印象のみ。 D(0点)…「読みにくい」など効果になっていないもの、無答。 ※四十〜五十字から外れたら−1点。自分の考えであれば、上の例と内容が異なってもA基準を満たせば満点。 |